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TOPIXベア上場投信【1569】の掲示板 2022/04/29〜2022/12/22

■流れには逆らえず
ただ、円安ドル高の基本構図は変わらない。インフレ退治に燃えるFRBは2日の会合で通常の3倍ペースとなる0・75%の利上げを4会合連続で決定。日銀は低金利政策を維持しており、日米の金融政策の違いが金利差を生み、運用に不利な円が売られるからだ。

日本が抱える構造的な問題もある。東日本大震災後の原発停止の長期化で火力発電用燃料の輸入が増え、貿易赤字の増大が決済用のドル需要を拡大した。少子高齢化やデジタル化の遅れで国際競争力が落ち、投資先としての魅力が薄れた日本の貧困化も背景にある。

このため、為替介入はあくまで円安のペースを緩やかにする効果しかない。鈴木俊一財務相も「急激な変動を放っておけば企業の経営判断や家計に対する影響も大きくなる。『ならす行為』が必要だ」と述べ、円安のスピード調整が介入の目的だと説明している。投機筋が今後、覆面介入に慣れて政府・日銀の手の内を読むようになると、効果が限定的になる恐れがある。

円相場は既に150円を突破し、次の節目はバブル景気終盤の円安局面だった1990(平成2)年に記録した160円までない。このままズルズルと下落が進むようだと、この大台が視野に入る可能性がある。

■年末年始が転換点
では、足元の状況はいつまで続くのだろうか。円安トレンドが反転するには、米国の景気が減速して物価高が弱まり、米国の金融引き締めが緩む必要がある。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、現在は0・75%幅で利上げを進めているFRBが、通常ペースである0・25%幅まで上げ幅を縮小するとの観測が市場で強まれば、米国の長期金利の上昇と円安ドル高が一巡すると指摘。パウエル議長も2日の記者会見で次回12月会合での利上げ速度の鈍化に含みを持たせており、相場の転換点は「今年の年末から来年1~3月期の間」(木内氏)と予想する。

円安狂騒曲の終わりが見えてきたとはいえ、喜んでばかりもいられない。米国の利上げ鈍化は世界同時不況と裏表になる可能性があり、輸出産業が新型コロナウイルス禍の回復を牽引(けんいん)した日本経済にとっても大きな逆風になるからだ。国際通貨基金(IMF)幹部は10月に世界経済見通しの下方修正を発表した際、「最悪期はこれからであり、多くの人は23年に景気後退を感じることになるだろう」と厳しい見方を示した。

TOPIXベア上場投信【1569】 ■流れには逆らえず ただ、円安ドル高の基本構図は変わらない。インフレ退治に燃えるFRBは2日の会合で通常の3倍ペースとなる0・75%の利上げを4会合連続で決定。日銀は低金利政策を維持しており、日米の金融政策の違いが金利差を生み、運用に不利な円が売られるからだ。  日本が抱える構造的な問題もある。東日本大震災後の原発停止の長期化で火力発電用燃料の輸入が増え、貿易赤字の増大が決済用のドル需要を拡大した。少子高齢化やデジタル化の遅れで国際競争力が落ち、投資先としての魅力が薄れた日本の貧困化も背景にある。  このため、為替介入はあくまで円安のペースを緩やかにする効果しかない。鈴木俊一財務相も「急激な変動を放っておけば企業の経営判断や家計に対する影響も大きくなる。『ならす行為』が必要だ」と述べ、円安のスピード調整が介入の目的だと説明している。投機筋が今後、覆面介入に慣れて政府・日銀の手の内を読むようになると、効果が限定的になる恐れがある。  円相場は既に150円を突破し、次の節目はバブル景気終盤の円安局面だった1990(平成2)年に記録した160円までない。このままズルズルと下落が進むようだと、この大台が視野に入る可能性がある。  ■年末年始が転換点 では、足元の状況はいつまで続くのだろうか。円安トレンドが反転するには、米国の景気が減速して物価高が弱まり、米国の金融引き締めが緩む必要がある。  野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、現在は0・75%幅で利上げを進めているFRBが、通常ペースである0・25%幅まで上げ幅を縮小するとの観測が市場で強まれば、米国の長期金利の上昇と円安ドル高が一巡すると指摘。パウエル議長も2日の記者会見で次回12月会合での利上げ速度の鈍化に含みを持たせており、相場の転換点は「今年の年末から来年1~3月期の間」(木内氏)と予想する。  円安狂騒曲の終わりが見えてきたとはいえ、喜んでばかりもいられない。米国の利上げ鈍化は世界同時不況と裏表になる可能性があり、輸出産業が新型コロナウイルス禍の回復を牽引(けんいん)した日本経済にとっても大きな逆風になるからだ。国際通貨基金(IMF)幹部は10月に世界経済見通しの下方修正を発表した際、「最悪期はこれからであり、多くの人は23年に景気後退を感じることになるだろう」と厳しい見方を示した。