TOPIXベア上場投信【1569】の掲示板 2022/04/29〜2022/12/22

円安狂騒曲の終わりが見えてきたとはいえ、喜んでばかりもいられない。米国の利上げ鈍化は世界同時不況と裏表になる可能性があり、輸出産業が新型コロナウイルス禍の回復を牽引(けんいん)した日本経済にとっても大きな逆風になるからだ。国際通貨基金（ＩＭＦ）幹部は１０月に世界経済見通しの下方修正を発表した際、「最悪期はこれからであり、多くの人は２３年に景気後退を感じることになるだろう」と厳しい見方を示した。

■強まるドル高懸念
とはいえ、米国はどこ吹く風だ。バイデン米大統領は１０月１５日、記者団に対しアイスクリームを食べながら「ドル高を懸念していない。米国経済は力強い」と述べた。他国の通貨に対しドルの価値が上昇する「ドル独歩高」を容認しても、国内のインフレ抑制を優先するという構えだ。１１月の中間選挙を控え、政権の浮沈を左右しかねない物価高問題に血道を上げている。

無論、こうしたドル高圧力に苦しむのは、日本だけではない。先進７カ国（Ｇ７）は１０月の財務相・中央銀行総裁会議の声明文で、「多くの通貨が今年、急激に変動している」とドル独歩高の悪影響に言及した。ドル建て債務が多い途上国には借金の返済や利払いの負担増が重くのしかかる。

今後は日本以外にも為替介入による自国通貨防衛に踏み切る国が増えると指摘され、他国の経済を省みない米国への反感も強まりそうだ。過度なドル高は米国にも輸出の減退などの形で跳ね返るため、米国内でも弊害が意識されつつある。市場関係者の間では、米国のインフレが収まり始めた段階で、１９８５年の「プラザ合意」のように米国と他の各国がドル高是正に向けた政策協調に踏み切るという見方も出始めている。