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鹿島【1812】の掲示板 2016/06/07〜2017/03/20

>>748

~~前頁より~~

 また現場溶接で使用する為には、鉄骨の建方精度に伴い発生する溶接部のずれ・ねじれ・段差等への対応、コラム(角型鋼管)柱・BOX柱のコーナー部の処理等、現場溶接特有の課題や問題点への柔軟かつ適切な対応が求められますが、簡易試験体による要素試験、実施工を考慮した実物大試験体による実証試験を通じ、その解決方法を検討しました。更に、コラム柱の横向き溶接や梁鉄骨フランジの下向き溶接については、施工効率も考慮した溶接方法を検討すると共に機器の配置など運用上の問題点についても検証を行いました。
 これらの検討や検証においては、共同開発者である横河ブリッジの溶接技術者、熟練溶接技能工から数々の技術指導や支援を受け、今回開発された手法は、プロフェッショナル達の知恵やノウハウが数多く詰め込まれたものとなっています。

●現場への適用
 現場への適用に当たっては事前に溶接オペレータの技量試験を実施すると共に、施主への説明、設計・監理者の承認、行政への手続き等を経て、是まで以下の2現場に溶接ロボットを適用しました。
 両現場とも、溶接終了後の外観検査、並びに超音波探傷検査に於いて熟練溶接技能工と同等の良好な結果を示し、特に外観の品質は同等以上の良好な結果を確認しました。

●鹿島クレスでのオペレータ育成
 鹿島クレスに発足した溶接事業部では、ロボット溶接運用の要となるオペレータの育成を実施しています。育成対象者は鹿島技術研究所内に設けた訓練施設で約4ヵ月間の訓練を行い、JIS溶接資格の取得、ロボット溶接安全教育の受講、鹿島オペレータ技量試験への合格などのステップを経て、ロボット溶接オペレータとして上記現場の溶接施工にあたりました。また溶接ロボットの適用に関わる問題点やその解決策等、訓練の記録を詳細に残しながら、実際の施工に向けた「ノウハウ集」としてまとめる作業も行いました。

●今後の展開
 鹿島クレス溶接事業部は今後も直傭の社員をオペレータへと育成する取り組みを継続的に進め、オペレータ数を確保すると共に溶接ロボットの操作技量の安定化、品質の向上を図ります。
 鹿島は近く予想される溶接技能工の不足、及び将来的な溶接技能工の高齢化への対策の切り札として、溶接ロボットを活用した現場溶接のさらなる効率化を図り、全国の建築工事への幅広い普及・展開を進めて参ります。