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(株)エスイー【3423】の掲示板 2015/04/29〜2017/09/22

エスイー<3423.T>は建設・建築用資機材の製造・販売のほか、建設コンサルタント、コンクリート構造物の補修・補強工事などの事業を手掛ける。将来を見据えた事業展開を推進し、17年3月期からは画期的な超高引張強度コンクリート「ESCON(エスコン)」に注力する意向だ。同社の現状と今後について森元峯夫会長に聞いた。

<10年先を見据えた事業展開>

 ――御社事業の現況について教えてください。

 「2012年にアベノミクスが始まってから震災復興、防災、インフラ再整備などの公共工事が活発化し、当社事業も活気づいています。また、公共工事の増加から次第に民間工事も増えるとみて、当社はここ数年、積極的なM&A(企業の合併・買収)を進めてきました。それが功を奏し、最近の民間工事増に対応して、子会社の収益が増加しています。今期には民間工事向け売上高が公共工事向け売上高を上回ることになりそうです」

 ――建設業界は好調ですが、問題も増えています。

 「人材不足、高齢化が特に深刻です。日本自体、高齢化が進んでおり、若い人が減少していることもあり、建設業界に就職しようという人も少なくなっています。これに対し、業界の魅力向上とともに、人を使わない建設業を実現するためのイノベーションが重要です。イノベーションが人々の関心を引き、業界の魅力を引き上げ、そこに人が集まってきます。そのため、当社は将来を見据えた先行投資を積極化しています。こうしたイノベーションの一つに、『ESCON』があります」

 ――「ESCON」とは、どんな製品ですか。

 「従来製品より曲げ引張強度が7倍以上、圧縮強度は6倍以上と高い超高引張強度コンクリートで、そのため工事で使用するコンクリート量は従来より少なくて済みます。もともと軽いこともあって、工事は容易になり、人手も少なくて済むようになります。さらに、耐用年数は100年以上と、従来の鉄筋コンクリートの2-3倍です。最近はインフラ補修が急務ですが、『ESCON』を使えば長期にわたりインフラを維持できます」

 「今年7月には『ESCON協会』が発足しました。ゼネコンなど25社が集まり、今後、『ESCON』の普及を図っていきます。また、研究会を実施し、応用分野の拡大も目指します。1社だけであれば、営業にも研究開発にも限界はありますが、多数の協力があれば可能性は広がります。来期あたりから『ESCON』の本格的な普及が期待できるでしょう」

 ――御社の今後についてはいかがですか。

 「常に10年先を見た事業展開を行っています。そのため、アベノミクスの進展に沿って、タイミングよく事業拡大が図れました。今後も研究開発、イノベーションとともに、人材確保・育成に注力していきます。人材確保のためM&A、海外展開強化も視野に入れています。アジアをはじめとする海外に目を向けると、こうして獲得し、育成した人材の活躍場所はたくさんあるでしょう。このように、将来のビジョンを描きながら、やるべきことを一つ一つ実行していく、それが大切だと思います」

[ 株式新聞ニュース/KABDAS-EXPRESS ]
提供:モーニングスター社 (2016-08-31 09:44)