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(株)ポラテクノ【4239】の掲示板 2015/04/28〜2017/05/12

ポラテクノ、新偏光板で電子看板の画像くっきり
2016/11/26 7:00 [有料会員限定]
地域ニュース
 ポラテクノは親会社の日本化薬、東北大学と共同で、デジタルサイネージ(電子看板)の液晶ディスプレー上で画像を従来品よりくっきり映し出せる偏光板を開発した。光源にバックライトを使わないディスプレー用で、色の差異の明瞭さを表す「コントラスト比」が従来品より10倍以上高い。主力の車載用などの偏光フィルムが鈍化するなか、収益源の多角化を急ぐ。

 偏光板は振動しながら進む光を一定の方向にそろえる機能を持つ。偏光板を2枚使うと光を透過させたり、遮断させたりできる。液晶ディスプレーで、文字や画像を表示するための部材だ。

 偏光板は液晶ディスプレーの光源となるバックライトを使わず、太陽光などの自然光を光源として、その反射によって文字や画像を表示する「反射型」液晶ディスプレーに使う。バックライト型に比べ強い太陽光の下でも見えやすいほか、消費電力が少なく、薄くて軽いなどの利点があり需要が高まっている。

 新たな偏光板には、日本化薬が新たに合成した色素をもとに開発した専用の染料を使う。偏光板の主材料のポリビニルアルコール(PVA)には、専用染料を染み込ませて引き伸ばし、分子レベルで最適な方向に並べる工夫をした。

 この偏光板を、カラーフィルターを使った反射型液晶ディスプレーと組み合わせて使う。ディスプレーの最も明るい表示状態(白)と、最も暗い表示状態(黒)の輝度の比率であるコントラスト比が従来品の10倍になり「文字や画像がよりクッキリと見えやすくなる」(経営企画部)。

 ポラテクノは2014年に反射型液晶ディスプレー向けの偏光板を開発したが、コントラスト比が足りず電卓や時計など画面がモノクロの製品向けの採用にとどまっていた。

 国内外の液晶ディスプレーメーカーに10月からサンプル出荷を開始。福岡で12月上旬に開かれるディスプレー関連の学会でも発表する。販売価格は従来品と同水準に抑える。18年3月期に量産を始め、初年度5000万円の売り上げを目指す。将来は年間20億円規模に育てる。

 調査会社の富士キメラ総研(東京・中央)によると、国内の電子看板市場は20年に約2700億円と15年見込みに比べ2.3倍に拡大する見通しだ。交通案内などインバウンド対応や、20年東京五輪・パラリンピック開催に向けて普及が進むとみる。

 ポラテクノの17年3月期の連結売上高は前期比15%減の205億円の見通し。台湾メーカーなどとの競争激化に伴い車載用偏光フィルムの単価が下落し販売数量も減った。新たな偏光板の拡販などにより収益力を強化して、連結売上高300億円の早期達成を目指す方針だ。