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小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2017/01/21〜2017/01/22

●PD-1抗体に関する簡単レクチャー

<マウス実験で成功>
2000年には、京大と米国Genetics Instituteなどとの共同研究で、PD-1に特異的に結合する物質(リガンド)として、PD-L1とPD-L2が相次いで発見された。
がん細胞表面にPD-L1が存在し、免疫細胞のPD-1受容体と結合した場合、免疫細胞の反応が抑制されてがん細胞を攻撃する力を失ってしまう。
抗PD-1抗体によってこの結合を阻害すればブレーキが外れ、免疫細胞は再びがんを攻撃する可能性があると想定。
本庶チームでは、動物実験を進め、期待された通り、抗PD-1抗体投与によりマウスの抗がん能力が著しく高まることを示し、2002年に論文を発表した。
さらに、移植したがんの転移の抑制などについても、様々な実験でデータを補強した。
<米社との共同研究へ>
米国のバイオテクノロジー企業、メダレックス社は、ヒト型の抗体を作る特許と技術を持っており、PD-1抗体の臨床応用などを小野薬品と共同した。
2006年にヒト型PD-1抗体として、ニボルマブが米国食品医薬品局(FDA)により研究用新薬として認可され、同年から臨床試験が米国でスタート。
2009年、米製薬大手、ブリストル・マイヤーズスクイブ社が、24億ドルでメダレックス杜を買収すると、薬剤開発は加速された。
<2014年に治療薬「オプジーボ」が誕生>
米国での治験では、非小細胞肺がん、前立腺がん、大腸がん、腎細胞がんなどの固形がん、および悪性黒色腫(メラノーマ)を対象に投与する試験が実施され、いずれも有効例が認められた。
メラノーマや腎細胞がんでは30%近い奏効率(がんが消失または一定割合以上縮小した人の割合)を示した。
試験の結果は、2012年、臨床医学雑誌「New England Journal of Medicine」誌に報告され、論説では、「過去30年で試みられた多くのがん免疫療法で、最も高い奏効率」と評された。1年以上の長期にわたって再発がない患者もいた。
日本では、小野薬品が非小細胞肺がん、腎細胞がんなどの患者を対象に安全性を調べるフェーズⅠ試験を行い、著効を示す例が出た。