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日本経済新聞より

研究会、がん治療にAI活用 システム開発へ拠点設立

2016/10/6 21:03


 公益財団法人のがん研究会は6日までに、がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析し、人工知能(AI)で最適な治療法を選ぶシステムを開発する拠点を設立したと発表した。医療機関で医師が治療選択の参考にでき、生存率の向上や医療コストの低減につながると期待される。

 このほど設立したのは「がんプレシジョン医療研究センター」。ゲノム解析の権威である米シカゴ大学の中村祐輔教授を特任顧問として招いた。中村教授は「日本が世界のがん医療をけん引できるようにしたい」と話す。

 がん患者の血液や尿、唾液などには、がん細胞から漏れ出た遺伝情報が微量含まれている。それらを最新鋭の装置で解析。抗がん剤の治療効果や転移・再発といった臨床データを加えて企業などに提供する。企業がAIで解析して、最適な免疫療法、分子標的治療、化学療法の判断に役立つ情報を提供する。

 将来はがんの超早期診断や再発の予測、再発予防法の開発も進める。