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新日本無線(株)【6911】の掲示板 2015/04/28〜2017/07/07

放射線治療に船舶レーダー、新日本無線、マイクロ波技術、がん照射装置へ応用。
2016/08/04 日経産業新聞 6ページ
 日清紡ホールディングス傘下の半導体・電子部品メーカー、新日本無線は船舶レーダーのマイクロ波技術を医療分野に応用する。がんに放射線をあてる装置用に、マイクロ波によって治療効果を高められるような部品を開発した。高い出力を武器に採用を呼びかけており、秋に同社の川越製作所(埼玉県ふじみ野市)で量産を始める。
 マグネトロンと呼ぶ部品の新製品を開発した。マグネトロンは対象物にマイクロ波をあてて距離や速度を測るもので、船舶や気象台、航空管制塔などのレーダーに使われる。新日本無線は船舶用レーダーのマグネトロンで世界販売個数の8割のシェアを持つ。
 医療用に開発した新製品は船舶用と比べ、出力が大きい。周波数3・0ギガ(ギガは10億)ヘルツ帯で最大出力3・2メガ(メガは百万)ワット、9・3ギガヘルツの高周波数帯で最大2・0メガワットとなる。高電圧での利用に伴い、電力は熱となって逃げエネルギー効率が落ちる。マグネトロン内部の水冷設計によって効率を高めた。
 エックス線をがん細胞にあてる放射線治療装置での利用を見込む。装置内の高エネルギー放射線発生装置「ライナック(線形加速器)」に搭載する。ライナック内の真空管を流れる電子に高出力のマイクロ波を加えるとエネルギーが大幅に増幅し、タングステンなどを含む金属にぶつけてがん細胞の消滅に有効な強さのエックス線を発生させることができる。
 高出力のマグネトロンは、港湾エリアの税関などでトラックのコンテナの中身を検査するライナック装置にも応用できる。輸出入の際に貨物船やトラックが積んだコンテナの中身を開けて確認せずに済み、需要が見込めるという。
 マグネトロン単体の価格は数百万円程度。2019年度に3億円の事業規模に育てる。同社の16年3月期の売上高は478億円で、うちマグネトロンを手がけるマイクロ波事業部の売上高は63億円だった。