(株)ナイスクラップ【7598】の掲示板 2015/04/08〜
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<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑨
―「宮本悦也・流行学」に見るカジュアル/エレガンス論 ―
反論派曰く・・・・
”「エレガンスはカジュアルの反対語ではない」
「欧米でもカジュアル革命は継続する」
「日本も欧米とともにエレガンスに移行する」
などと1973年まで反論が続いた。だが、1974年以降、欧米
の服飾ジャーナリズムが、「カジュアル」というコトバを
使用するのをやめ、「エレガンス」を多用しはじめると沈
黙してしまった。そしてこの沈黙はたんに反論をやめただ
けではなかった。偶然の一致にせよ、反論した服飾の新聞、
雑誌がすべて廃刊に追い込まれたのである。”
”フランス語で「上品な、趣味のよい、オシャレな」という意
味のコトバ「エレガンス」は英語のカジュアルの反対語でな
いことは、字引を引けば明らかだ。そして、英語としての反
対語は「正式(フォーマル)」がよい。”
”だが「流行学」が予測しているカジュアルは、日本語として
生き残るカジュアルのことだ。それは、古い着用習慣を破壊
するエネルギーのことだ。そしてエレガンスとは、70年代の
欧米の服飾が、新しい着用習慣/ルール(秩序)をつくるエネ
ルギーのことだ。”
<宮本悦也と関わりのあった企業>
(月刊モドロジー 1985’10月号 通巻142号)
トヨタ、セイコー、雪印、ヤクルト、東洋水産、東レ、旭化成
カネボー、三菱レ、イトマン、ワコール、ワールド、レナウン
伊勢丹、ニチイ、オ・プランタン、西友ストア関西、資生堂、
ポーラ化粧品、ソニー、ビクター、コロンビアなどの全レコー
ド会社及び主たるプロダクション、とくにトヨタ自動車は「自
動車の流行学」の仮説を、日米欧のデーターで追認し、モドロ
ジーの周期仮説によって1984年に占有率を43%に高めた。
only_yasterday 2017年1月2日 16:01
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<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑧
―「宮本悦也・流行学」に見るカジュアル/エレガンス論 ―
1960年代から1980年代にかけてファッション業界に旋風を
捲き起こした宮本悦也という経営コンサルタントがいた。
(後に服飾業界を超え、日本の企業2000社と関わりを持つ
ことになるスケールの大きい人物で、裏原宿の生みの親
でもある。また日暮里をニポカジとしてブラッシュアッ
プさせた仕掛け人でもある。)
宮本氏が書いた本は多いが「構造心理学」をベースに理論を
展開するので、一度で理解する人は皆無でもある。
以下は流行学三部作の第二作目の「商品の流行学」から抜粋。
(昭和51年6月24日初版発行)
”前著「流行学」で私は、「カジュアル」という1960年代の
服飾革命に名づけられたコトバの運命を、次のように予告
した。「カジュアル」というコトバは、日本では服飾全体
の傾向を指す広義のコトバとして生き残るが、欧米では、
もとの「くつろぎ着、ふだん着」という狭義のコトバに戻
る、と。”
”この英語で「偶然の、何気ない」という意味から転じて、
服飾ビジネスで「略式服」「ふだん着」を指すコトバだっ
た「カジュアル」は、ミニスカートに始まる60年代の服飾
革命そのものを指すコトバとなった。”
”だが、70年代に入ると、欧米はエレガンスに移行するため
に、カジュアルはもとの狭い意義しかもたないコトバに転
落した。ところが日本だけは70年代以降、2010年代まで
カジュアル革命を継続させるために、「カジュアル」とい
う広い意義を持つコトバが残る。”
で、この論説に関し、ジャーナリズムと論争を繰り広げるこ
ととなる。