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エイベックス(株)【7860】の掲示板 2015/04/16〜2016/11/17

「AWA」や「LINEミュージック」が始まって「『三代目J Soul Brothers』のCD売り上げが落ちたかというと、そんなことはなかった」(若泉氏)。
音楽ビジネスではここ数年、ライブ事業の重要性が増している。エイベックスが5月に発表した2016年3月期のライブ事業の売り上げは321億円。同CDなどの音楽パッケージ事業は419億円だから、ライブ事業がいかに大きな収益源かが分かるだろう。コンサートプロモーターズ協会によれば、2015年のライブ市場の市場規模は3186億円。音楽ソフトの2544億円(日本レコード協会調べ)を上回っている。
 ライブにどう集客するかが以前にも増して大切な時代。そのきっかけとなる試聴機会の拡大は音楽業界の大きな課題の一つだ。パソコンにもCDドライブが付かない薄型が増え、音楽CDを聞けるプレーヤーすら持っていない人もいる。そんなときにどうすれば音楽を聴いてもらえるのか――パソコンやスマホで手軽に音楽を楽しめるサブスクリプションサービスへの期待も高まる。サブスクリプションサービスなら、特定のアーティストの曲を好んで聴いている人におすすめ曲を表示できる。「浜崎あゆみを『Favorite』している人には、次のアルバムが出るときにお知らせを出すこともできる」と若泉氏。アーティストのファンに向けてピンポイントで関連情報を表示することも検討している。
 サブスクリプションサービスには、アップルの「Apple Music」やグーグルの「Google Play Music」、レコチョクの「レコチョクBEST」、LINEの「LINE MUSIC」など、さまざまなサービスがある。海外の大手である「Spotify」の上陸も近いとされており、今後さらに利用者増が期待されるサービスの一つだ。
 ただ、前述のようにまだ一般的なサービスとは言えない。AWAアプリのダウンロード数は810万を超えたが、無料で試しているユーザーも含めての話。全員が聞いているかというとそうではなく「アクティブユーザーをいかに担保していくかが課題」(若泉氏)となる。有料で利用するユーザーも増えなければサービスとしては成り立たない。サブスクリプションサービスが今後音楽視聴ツールとして広がるのか――浜崎あゆみのように多数のファンを抱えるビッグアーティストの新たな取り組みは、とても大きな一歩のように思える。
(文/吾妻拓=日経トレンディネット)