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エイベックス(株)【7860】の掲示板 2015/04/16〜2016/11/17

■全然違うところからライバルが出てくる

山田:今の地頭のいい若い人たちは芸能事務所には期待せず、「YouTubeやるぜ」っていう感覚かもしれない。

松浦:全然それでいい。うちの社員は、はじめからそこをやらなかったりする。もっと新しいことに取り組みたいということで最初は入社してくるんですけど、実際は細かい仕事がたくさんある。いろいろなことを経験するうちにゼロから作るという経験をしていなくなってしまうので、発想が古い人間とかが多くなっている。

山田:エイベックスが、すでに古いレガシー(遺産)のようになっているということですか。

松浦:そうです。僕は、ほかの芸能事務所ではなく、全然違うところから全然違う形でライバルが出てくるだろうなと思います。

 ただ、芸能界への参入障壁が高いし、力をつけていくのは厳しいので、そこを僕らが助ける役割はできるかもしれない。

山田:それだけ芸能界は閉鎖的だ、と。

松浦:そのような一面もあると思います。あとはリスクについても面倒をみることができる。数多くのタレントを現在も扱っていますから、どんな事故があるかもわからない。そのようなときの対応も手助けできると思う。

山田:ヒット創出の施策として「海外展開」も掲げています。これは難しいテーマですし、短期的なテーマではないですよね。

■海外は簡単ではない

松浦:海外は簡単ではないと思っています。ただ、絶対にやらなければいけない。なぜならば「デジタル化」となった現在では、もはや国境は意味がない。現在はシリコンバレーのIT企業に席巻される世界です。僕らは今、音楽パッケージの売り上げでは日本で一番にもなりましたが、世界から見たら、まったく一番ではない。世界のなかでの位置を日本国内の都市で例えるならば、「福岡で一番」みたいなものです。東京で一番にならなければしょうがないと思うのです。

 そう考えたときに、どこに行けばいいのか。ITの場合はシリコンバレーですが、われわれエンターテインメントの世界ではロサンゼルスではないかと思い、ロサンゼルスに行くことにしました。

 アメリカの音楽会社は広大な土地でレコードを流通させるっていうことを最大の武器にやってきましたが、その武器はデジタルになって意味がなくなった。CDも売れなくて、音楽業界も非常に危機的状況になっていて。6つあったメジャーディストリビューション(大手流通会社)もユニバーサルミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループの3つになってしまった。