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KDDI(株)【9433】の掲示板 〜2015/04/15

週プレNEWS

2014年04月21日06時00分

通話完全定額制「カケホーダイ」を導入するドコモの勝算


ドコモが、完全定額制の音声通話料金プラン「カケホーダイ」を6月から導入すると発表した。

LTE網のXi(クロッシィ)に対応したスマホの場合、既存プランでは基本料金月額743円(税抜き)に加え、従量制の音声通話料金(20円/30秒)がかかっていた。それが新プランでは、基本料金込みの2700円(2年契約、税抜き)で、音声通話がどのキャリア相手にも時間無制限のかけ放題となる。ということは、ひと月で合計49分以上通話すれば元が取れる勘定だ。

なぜ今、ドコモは、業界の先陣を切る形での音声通話料金完全定額制を発表したのか? 携帯電話ライターの佐野正弘氏がその背景を解説する。

「iPhone導入で後手を踏んだため、SBM(ソフトバンクモバイル)やauにユーザーをごっそり持っていかれたドコモは、昨年ようやく同機の取り扱いを始めました。にもかかわらず、期待したほど契約者の純増数が伸びなかったのです。そこで切羽詰まって、最終手段に打って出たのでしょう」

つまりカケホーダイは、ドコモV字回復の切り札として投入されたわけだ。

ただ、たとえ契約者数が増えたとしても、このプランを選ぶユーザーばかりでは、音声通話収入が減ってしまう可能性もある。かえって経営が悪化したりしないのだろうか?

そのカラクリについて、ITジャーナリストの石川温(つつむ)氏が言う。

「ドコモが発表した資料によると、既存プランでの同社ユーザーひとり当たりの平均月間通話料金は、基本料込みで1340円。カケホーダイ導入によって、音声通話の量が全体的に増加するかもという不確定要素はありますが、減益につながらない線として定額料金を設定しているはずです」

従来の平均通話料1340円に、不確定要素のプラスアルファ。その結果が2700円を上回るとは考えにくく、ドコモは損をしない仕組みなのだ。それどころか、カケホーダイにつられて新規ユーザーが増加すれば、確実に増益につながる。

なかにはカケホーダイにすることによって、従来以上に通話料金がかかってしまう場合ももちろんある。

「これまで音声通話をあまり利用していなかった層、例えばLINEやメールでのやりとりが主だった人、あるいは内勤の社会人などは、かえって割高になってしまう可能性があります」(佐野氏)

そのためドコモは、既存の料金プランを継続できる選択肢も残している。しかし、スマホの場合、一度カケホーダイに変更すると再び既存プランには戻れず、既存プランの新規受付自体も8月末で終了してしまう。

このドコモの「カケホーダイ」発表を受け、条件付きの定額制プランをいち早く発表していたSBMは、4月21日から予定されていた導入を延期。今後は、この“通話定額制”がスマホユーザー獲得のひとつのカギになりそうだ。