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東京電力ホールディングス(株)【9501】の掲示板 2016/12/07〜2016/12/08

>>2100

廃炉08

浜岡原子力発電所でもマイルストーン原子力発電所でも、稼働中の原子炉炉心あるいは原子炉内にわずかな量の塩化物イオンが入り込んだだけで、非常に大きな損傷が発生しました。

 東京電力の技術者も塩化物イオン、すなわち塩がステンレス鋼と基本的に相容れないものであり、原子炉にひびが入るおそれがあるということを知っていました。

 しかし文字通り計り知れない人為的危機が発生し、引き続きメルトダウンが発生するというプロセスにおいて、しかも通常とれるはずの安全確保のための手段がまるでないという状況にあって、福島第一の東京電力の社員たちには原子炉内部に向け海水を注入する以外の手段は無かったのです。

そして海水の注入は、事故現場において4つの結果を引き出しました。

1番目はメルトダウンしていた原子炉の冷却に成功したことです。
しかし残る3つの結果はひどいものでした。
原子炉内部に入った塩水により、原子炉内の隔壁、内部構造、そして核燃料が深刻な損傷を被ったのです。

  • >>2102

    Reactor 4

    核燃料と一緒に溶け落ちてしまうメルトダウンによる破壊を免れた原子炉も、絶え間なく入り込む塩水が亀裂を発生させ、いずれにせよ損傷を被り事態は悪化することになりました。

     さらに高熱の場所に塩水が送り込まれた結果、水分が蒸発した後に大量の塩分があらゆる場所にこびりつくことにもなりました。

     そして最終的に気城格納容器と原子炉の底を突き破って流れ出した溶けた核燃料と熱湯状態の大量の塩分が、原子炉の基礎のコンクリートを徹底的に痛めつけることになったのです。

    核燃料を原子炉内、あるいは原子炉格納容器の中に閉じ込めておくことは完全に失敗しました。

     溶岩のようになった核燃料が炉心(時に『真皮』と呼ばれることもあります)を突き破り、外に流れ出してしまったのです。

    この稿の目的は、まさに悲劇的状況の中で、東京電力の職員たちが考え得る最悪の事態を回避するために、その時たった一つだけ採れる方法によって緊急事態に立ち向かった結果、起きてしまったことをすべて明らかにすることです。

    4号機核燃取出 1

    1つのどうしても解決しなければならない問題を解決するために、他の3つの問題が生じました。

    原子炉を冷却するために純粋の代わりに塩水を使った結果、
    原子炉内部の破壊の程度は好き大きなものになり、
    原子炉のメルトダウンの進行をはめる結果になり、
    核燃料を閉じ込めておかなければならない原子炉格納容器の外側で、化学的・物理的な破壊が起きてしまったのです。

     福島第一原発の廃炉が完了するのは今からだいたい100年が過ぎたころになると考えています。

     その時になってすべての設備が解体・分解されて初めて、放射能が大気中や地下水脈に漏れ出さないよう設計されたステンレス・スティール製の原子炉とコンクリートで作られた防護壁に対し、塩水による損傷が実際にどのようなものであったのか正確に把握できることになります。

    GE Mark 1

     福島第一原発のメルトダウンが明らかにしたものは、原子力産業界が『最大想定事故』と呼んでいる想定される中で最大規模の事故が発生した場合、福島第一原子力発電所にあったのと同じ、作られてから何十年も経った原子炉は持ち堪えられないという事実なのです。