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私と経済の掲示板



 中国の大手銀行などで個人向け高利回り資産運用商品である「理財商品」の販売残高が急増している。国有大手、中国農業銀行の6月末の残高は7178億元(約11兆5000億円)と昨年末に比べ54%増えた。理財商品をめぐっては景気減速に伴い元利金が返済されない危険が浮上。これが現実になると、企業業績の悪化で増加傾向にある不良債権を一段と増やし、経営の重荷となりそうだ。

 銀行業監督管理委員会(銀監会)によると、6月末の中国の銀行全体の理財商品の残高は9兆800億元。昨年末(7兆1000億元)と比べ28%増えた。

 中国建設銀行の6月末の残高は同15%増の1兆161億元で、同行だけで中国の銀行全体の1割を占める。残高が大幅に伸びた農業銀の郭浩達副頭取は「当行の理財商品は当局の規制に従っており、リスクは管理可能だ」と述べた。

 中国工商銀行の6月末残高は1兆元強と昨年末実績(約1兆元)から増加基調にある。中国銀行は残高を開示しなかったが、主要販売拠点である「理財センター」を全国で5742カ所と昨年末に比べて283カ所増やしており、約7000億元だった昨年末と比べ残高は増えているようだ。

 準大手の招商銀行の残高は6月末で3999億元と前年末比8%増えている。

 理財商品は個人や企業向けに販売される高利回り商品。元本保証型と非保証型の2種類があり、保証型は理財商品が投資資産として持つ貸出債権や債券などが債務不履行に陥った場合、顧客の代わりに銀行が損失を被るリスクがある。

 建設銀行は販売残高のうちおよそ半分が保証型で、残高は前年末に比べて37%増えた。銀行財務に与えるリスクを軽減するため、将来の損失発生に備えて1~6月期に引当金を積んだ。

 非保証型でも営業担当者が口頭で元本保証と説明することがあり、トラブルになりやすい。昨年冬には中堅の華夏銀行が販売した非保証型の商品が期日になっても返済されず、購入者が同行に補償を求めて抗議した。

 中国政府の銀行監督部局である銀監会は今年3月下旬、理財商品が銀行にリスクを与えることを回避するための対策に着手。理財商品の販売金額を銀行の総資産の一定割合に抑えるよう求めるとともに、非標準型と呼ぶ複雑な商品の販売残高にも上限を設ける新たな規制を通知した。

 さらに中国人民銀行(中央銀行)は7月、貸出金利の下限を撤廃。理財商品に代表される「影の銀行(シャドーバンキング)」対策を急ぐ姿勢を鮮明にした。

 ただ人民銀は預金金利の上限規制は残したまま。1年物定期預金の金利は最高で3.3%(1年物)と物価上昇率とほとんど変わらず、不満を持つ国民は多い。このことが、規制強化にもかかわらず理財商品の販売が増える背景にある。

 29日出そろった2013年1~6月期決算で、4行合計の純利益は前年同期比13%増と、12年1~6月期(14%増)から増益ペースが鈍化した。景気減速の影響で不良債権の発生が増えているためだ。不良債権額は昨年末比6%増えた。大手4行の貸し出しに占める不良債権の割合は平均で1%。うち農業銀が1.25%で最も高い。銀行が販売した理財商品の元本が今後返済されないケースが増えれば、銀行の不良債権の増加要因となる。

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