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私と経済の掲示板

 高い世界シェアを誇る日本の液晶パネル製造装置・素材メーカーは中国勢に引き寄せられるように同国に生産を移管させている。東京エレクトロンは8月、初の海外生産拠点である江蘇省・昆山工場でパネル基板の回路形成に不可欠なエッチング装置の出荷を始めた。

 技術流出を懸念してきたが「中国でしか需要は伸びない」(東哲郎会長兼社長)と方針転換。山梨県の子会社の生産を数年でほぼ中国に移す。素材では三菱樹脂が7月末、江蘇省蘇州市でバックライト部分などに使うポリエステルフィルムの工場を稼働させた。

 一方で、中国勢が供給能力を強みに、日本が世界シェア3割で踏みとどまる中小型パネルに本格参入する可能性もある。「今は技術力の差が大きいが、将来は大きな脅威になり得る」(ドイツ証券の中根康夫シニアアナリスト)。潜在的なライバルとしても要注意だ。