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  • No.43251

    長谷川幸洋⇔東京新聞

    2014/03/20 11:57

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    >【私説・論説室から】
    「侵攻コラム」の意味
    2014年3月19日

     「クリミア侵攻の意味」と題して書いた私のコラム(三月十二日付)について、読者から多くのご意見をいただいた。
     コラムの要点は次の三つだ。危機で国連が無力化した。中国に伝染する可能性がある。日本はアジアにおける集団防衛体制も視野に入れて集団的自衛権を容認すべきだ。

     本文中でも断ったように、この欄は私説であって社説ではない。にもかかわらず「社説と真逆で許されない」という声があった。
     だが、社説と違う意見を私説で展開するのはおかしくないし、コラム本来の趣旨でもある。もしも論説委員が社説とは異なる意見を公表できないようだったら、全体主義と紙一重だろう。東京新聞には言論の自由がある証拠と受け止めていただきたい。

     「新聞を読んで」(十六日付)という外部執筆者のコラムでは「(私の)論法は政府与党が喧伝(けんでん)するそのまんま」という批評もあった。だが、私と同じロジックで今回の侵攻を解説した政府与党関係者の発言は寡聞にして知らない。私の意見は完全に私のオリジナルである。もしも政府与党関係者が国連の無力化や中国への伝染効果を公に語っていたら、それはそれで大変だろう。
     ちなみに、同じ趣旨は『現代ビジネス』というインターネット・サイトで六日以降に公開した私の署名コラムでも詳しく展開している。そちらもご参考に。 (長谷川幸洋)





    >【私説・論説室から】
    クリミア侵攻の意味
    2014年3月12日

     ロシアのクリミア侵攻は三つの意味と教訓がある。まず第一に、国連の無力化だ。
     国連憲章は武力による威嚇、または行使による主権と領土の侵害を禁じている。今回ほど露骨な主権侵害は旧ソ連によるアフガニスタン侵攻以来、ほとんど例がない。それなのに、なぜ国連は積極的に動かないのか。
     それは当のロシアが安全保障理事会の常任理事国であるからだ。ロシアは国連による介入には反対するに決まっているし、拒否権もある。国連は安保理決議がなければ武力介入できない。国連にできるのは、せいぜい強制力が伴わない総会での非難決議くらいだ。つまり国連に実質的な解決能力はない。

     次に、中国への伝染効果である。
     中国は南シナ海や尖閣諸島をめぐって「力による現状変更」をもくろんできた。だから、今回のクリミア侵攻は自分たちにとって、絶好のテストケースと思っているだろう。ロシアの挑戦が既成事実化されてしまうなら「自分たちも」と考えてもおかしくない。

     そうだとすれば、日本はどうするか。
     当面は日米同盟の強化、やや長い目で見れば、アジア太平洋地域における集団防衛体制の構築ではないか。集団的自衛権を行使できなければ、日本はアジアの集団防衛体制に参加できないだろう。社説の論調とは違って、私が集団的自衛権を容認すべきだと考える理由の一つである。 (長谷川幸洋)

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