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ZMPとZMP関連銘柄を語るの掲示板

東京新聞 2016年10月22日 朝刊 より

新規上場企業数に陰り 1~9月 前年比1割減業績不振で見送り増加


六年連続で伸びてきた国内の新規上場の企業数に、陰りが見えている。今年一~九月に上場した企業は五十九社(プロ投資家向けの東京プロマーケット上場を含む)で、前年同期の六十六社より約一割減った。年明けからの中国経済の減速や円高傾向などが影響したとみられ、東京証券取引所の担当者も「業績が伸び悩み、上場計画を先送りする企業が目立つ」と指摘している。 (中沢佳子)

 新規上場は二〇〇〇年のITバブル時に二百社を超えたものの、リーマン・ショック後の〇九年は十九社まで落ち込んだ。その後は増加に転じ、一五年は九十八社が上場。東証が審査期間を短縮するなど、上場を促す制度改正を実施したことも大きく影響した。特にベンチャー企業が多い東証の新興市場「マザーズ」への上場が伸び、〇九年の四社に対し、一五年は約十五倍の六十一社に増えた。

 新規株式の売り出し仲介などで手数料収入が得られる証券各社も態勢を強化。SMBC日興証券は一三年三月に上場をサポートする部署を統合新設し、約七十人だった人員を一・六倍にした。みずほ証券も今年中に八十人から百十人に増員、弁護士を一定時間駐在させて法律相談に応じるなどして受注契約の増加を狙う。野村証券は、企業交流会や上場を目指す経営者への説明会を通じ、早い段階から上場候補の企業と接触する機会をつくっている。

 しかし、今年は業績不振で上場を見送るケースが増え、上場数が前年に届かない可能性がある。さらに上場直後に業績予想を大幅に下方修正するなどの問題が相次いだのを受け、日本取引所グループが上場審査を強化したことも増加ペースが鈍った一因という。

 一方で証券各社の担当者は「※最近は資金調達だけが上場の目的ではない。人手不足を受け、会社の知名度を上げて優秀な人材を採ろうと考える経営者も多い」と話しており、手厚い態勢を保つ構えだ。