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ZMPとZMP関連銘柄を語るの掲示板

DeNAにも問題ありだろうな 焦りも感じる

ZMPとの「ロボットタクシー」提携解消、DeNAが相次ぎベンチャー活用でつまづく理由
佐野 正弘=フリーライター 2017/01/17

「WELQ」などのキュレーションメディアが大きな問題を起こしたことで話題となったディー・エヌ・エー(DeNA)だが、年明け早々、「ロボットタクシー」で合弁していた自動運転のZMPと業務提携を解消することを発表している。DeNAが今後の成長分野と位置付け、ベンチャー企業を活用して進めていた事業に関して、トラブルや提携解消などが相次いでいるのはなぜだろうか。

「ロボットタクシー」で合弁のZMPと提携解消

 2016年末、医療系の情報を扱うキュレーションメディア「WELQ」が、記事の盗用や虚偽の記述が多数存在するとして大きな問題となり、キュレーションメディアの在り方そのものが大きく問われる出来事が起きた。そのWELQを運営し、一連の問題に関して謝罪会見を実施したのがDeNAである。

 DeNAはキュレーションメディア事業を今後の成長分野の1つと位置付け、キュレーションメディアを展開していたベンチャー企業を相次いで買収し、事業拡大を進めていた。それだけに、WELQなどに関する一連の騒動で、全てのキュレーションメディアの公開を停止したことは、同社にとって痛手であることは確かだろう。

成長への焦りで慎重さが失われたか

 提携解消後も事業継続に向けて取り組みを進めたい考えを示すZMPにとって、ロボットタクシー事業は非常に大きなものだったと言える。だがDeNAにとっても、自動車関連事業の柱として、高い注目を集める存在であったはずだ。それだけに、形は違えどキュレーションメディア同様、ベンチャーとの協業が大きな成果を生むことなく終了してしまうことは、DeNAにとっても痛手だろう。

 12月1日にDeNAが開いた、一連のキュレーションメディアに関連する問題での謝罪会見において、代表取締役兼CEOの守安功氏は、ゲーム事業が低迷して以降、自社で立ち上げた「comm」「Groovy」などの新規事業が成功に結び付かなかった一方で、他のスタートアップが急成長していることに焦りを感じていたと話している

そのことが、外部のベンチャー企業と手を組んで新規事業を立ち上げる方針に結び付いていったようだ。だがWELQに関する問題や、ZMPとの提携解消といった結果を見るに、新規事業の成長と成果を焦るあまり、提携・買収するベンチャー企業の精査や方針のマッチングが、おろそかになっていたように感じるのも事実だ。

DeNAはここ数年、爆発的成長を遂げたブラウザーゲームプラットフォームの利用減少による売り上げの落ち込みに悩まされ続け、創業事業のEC事業をKDDIに売却するなど、ビジネスモデルの大きな転換を進めている最中だ。だが一方でDeNAは、既にプロ野球球団を持ち、高い知名度も誇る大企業でもある。企業としての成長が求められるのは確かだが、ベンチャーのような荒さの残る成長の仕方とは、異なるスタイルの成長が求められているのではないだろうか。

 「永久ベンチャー」を宣言するDeNAだが、逆に爆発的成長を遂げるベンチャーであり続けなくてはいけないという考えに囚われてしまっていることが、かえって同社を苦しめているようにも見える。インターネット大手としての優位性を生かしたビジネスをいかに確立していくかが、今後はむしろ求められるのではないだろうか。