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大欲は無欲に似たりの掲示板

ユーロ高変調か ECBに年内緩和観測

ユーロ相場の潮目が変わりつつある。世界的な株安を受け、リスクの高い新興国などから流れ出した資金がユーロに向かい、先週ユーロは対ドルで一時約7カ月ぶりの高水準を付けた。だが、ここへきてユーロ相場は再び弱含んできた。原油価格の下落などを受け、欧州中央銀行(ECB)が追加緩和に踏み切るとの観測が市場で高まってきたためだ。

 3日の東京外国為替市場でユーロの対ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半で推移している。中国経済への懸念をきっかけに世界で株安が進んだ先週24日には一時1.17ドルと今年1月以来のユーロ高・ドル安水準を付けたが、そこから1週間あまりで4%ほど下がった。

 ユーロ高にブレーキをかけたのが、ECBによる追加緩和観測の急速な高まりだ。バークレイズ証券は先週、ECBが年内に追加緩和に踏み切ると予想したリポートを公表した。

 ECBは3日に定例理事会を開き、ドラギ総裁が記者会見する。同社の高橋祥夫チーフ外債ストラテジストは、ECBが16年9月までとしている資産買い取りプログラムの期限を延長するシナリオを挙げ、「早ければ今日の定例理事会で決定される可能性もある」と指摘する。

 今回のECB理事会では、金融政策の判断結果と共に3カ月に1度見直しているECBの職員のマクロ経済見通しも公表される。今回の見通しでは、ユーロ高や原油価格の下落など外部環境の悪化を受け、2015年と16年のインフレ率見通しを下方修正する公算が大きい。