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日銀が発表する指標で、資本金10億円以上の企業、約1万社の企業に対して調査したものです。
3ヶ月に1度の調査で、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどうみているかといった項目や、売上高・収益・設備投資等の実績・予測値などについて調査をします。

日銀の行う金融政策に対して、重要な判断材料となっています。

掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • 物価巡り企業行動はかなりアクティブ、注目している=黒田日銀総裁
    1/21(金) 22:18配信

    日銀の黒田東彦総裁は21日、世界経済フォーラム「ダボス・アジェンダ」のセッションにオンラインで参加、日本経済に関して、物価を巡り企業の行動はかなりアクティブになっており、注目していると述べた。写真は2019年、ロイターのインタビューに答える黒田日銀総裁。

    [東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は21日、世界経済フォーラム「ダボス・アジェンダ」のセッションにオンラインで参加し、日本経済に関して、物価を巡り企業の行動がかなりアクティブになってきており、注目していると述べた。

    一方で、欧米とは対照的に日本のインフレ率は政策目標とする2%に「まだまだ遠く及ばない状況だ」と話し、今後もきわめて緩和的な金融政策を維持する必要があると述べた。

    総務省が21日に発表した2021年12月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)は前年同月比プラス0.5%だった。

    黒田総裁は世界経済見通しのセッションに参加した。

    (和田崇彦)

  • 日銀議事録(昨年12月分)予想物価上昇率は持ち直しているとの見解で一致
    経済指標 2022/01/21(金) 09:25

    日銀は昨年12月16日-17日に開催した金融政策決定会合の議事録を公表した。
    国内景気は内外における新型コロナの影響を受け、引き続き厳しい状況にあるが基調としては持ち直している。
    目先、エネルギー価格の上昇を受け、CPIプラス幅は穏やかに拡大していくと予想される。
    予想物価上昇率は持ち直しているとの見解で一致。
    経済・物価見通しのリスク要因として、オミクロン株が内外経済に与える影響に引き続き注意が必要

    ある委員
    消費者物価指数の基調的上昇圧力は徐々に高まってきているようにうかがわれる
    新型コロナで状況が大きく変われば政府と協調して躊躇なく政策を打ち出す
    将来、特別プログラムを手じまっても緩和縮小を意味せず
    現時点での金融政策修正は時期尚早
    新型コロナオミクロン株の弱毒性が判明し、安心感広がれば成長率に上振れリスク

  • 2022-01-21 08:55
    発言
    【日銀議事要旨】(12月16−17日分)「最近の予想物価上昇率や原材料コストの上昇などを踏まえ・・・

    12月16−17日分の金融政策決定会合議事要旨
    「一人の委員は、これまで、値上げ許容度の低さや賃金の上がりにくさといったわが国固有の事情を念頭に、物価は下振れリスクが大きいと判断してきたが、次回展望レポートでは、最近の予想物価上昇率や原材料コストの上昇などを踏まえ、こうした従来のリスク評価が妥当か、改めて点検する必要があると述べた」
    「複数の委員は、感染症拡大直後から足もとまでの金融環境の改善状況を踏まえると、感染症という非常事態への対応として導入した特別プログラムの一部については、所期の役割をおおよそ終えており、終了に向かうべきであるとの認識を示した」

  • 1月18日の決定会合後の会見で黒田東彦総裁は、08年のリーマンショック前の物価高を引き合いに、「エネルギー価格や原材料コストの高まりを受けた物価上昇は一時的にとどまる」とし、「仮に賃金上昇を伴わずに物価が上昇しても持続的にはならない」と指摘、「金融政策の変更はまったく考えていない」と重ねて強調した。

    日銀は17-18日開催の政策決定会合で、大規模な金融緩和の維持を決め、短期金利-0.1%、長期金利ゼロ%で推移する長短金利操作(YCC)方針を据え置いたが、市場の一部では物価上昇を受けて日銀が利上げの議論をしているとの観測が浮上し政策修正思惑から円買い・ドル売りが進んでいた。

    しかし、18日昼頃の東京外為市場でドル/円は一時115円台へ円安が進んだ。日銀が政策決定会合の結果を発表、「展望レポート」で2022年度の物価上昇率の見通しを1.1%と、昨年10月時点の0.9%から引き上げ、「下振れリスクが大きい」との表現を「上下にバランス」へ変更するも予想より低い水準であり改めて日銀の「ハト派」姿勢が確認され材料出尽くしからドル買い・円売りが加速した。

    むろん、日銀が目指す持続的2%の物価上昇のハードルは高い。コスト高が起点の物価上昇は消費を冷やす恐れがあり、21年10-12月に消費は持ち直したものの、足元では変異型「オミクロン」感染者の急増が景気先行き不安を醸している。

    さらに、資源高に伴う企業の価格転嫁が想定以上に進むものの、値上げに伴う販売減を警戒する企業の声が多く寄せられている。つまり、企業は消費者の値上げ許容度を慎重に見極めつつ可能な範囲で値上げせざるを得ないというのだ。

    もちろん、鍵を握るのが賃金であり、賃上げが強まれば値上げしても需要が落ちにくく企業収益も確保できる循環に繋がるが、黒田総裁が会見で述べた如く「仮に賃金上昇を伴わずに物価が上昇しても持続的にはならない」−。

    物価の上方硬直性は、賃上げ交渉が進み辛い日本固有の企業風土がある。政府が企業に賃上げを促しても今年の春闘で賃上げ機運が盛り上がるか定かでない。アベノミクスの「官製春闘」でも賃上げは僅かに留まった。

    米FRBは金融政策「正常化」利上げに向けた議論を急ピッチで進めているが、黒田総裁は昨年師走12月の会見で「(日本の物価は)2%を超えるといった欧米のようなことになる可能性はまずない」と緩和修正を強く否定した。

    何より、インフレに呼応して金融政策「正常化」を進める欧米と異なり、日銀が緩和維持の姿勢を貫くのは財政を含めた日本経済に利上げ耐性がないためである。意図しない経路で2%の物価目標を達成し、利上げを迫られれば国債利払い負担は急増し、民間金融機関が保有する国債も多額の評価損を抱える。

    世界最速の少子化・人口減少「慢性内需欠乏症」のデフレ体質が続き、財政赤字の拡大にも潜在成長率ゼロを彷徨う低成長の日本経済にあって未だ利上げなど拙速に過ぎるというのだ。

    なお、日銀は「展望レポート」で21年度の成長率予測(中央値)を+2.8%と、前回21年10月見通し(+3.4%)から下方修正、22年度は+3.8%(前回+2.9%)へ引き上げが23年度は+1.1%(同+1.3%)へ引き下げた。消費者物価(除く生鮮食品)見通しは21年度0.0%と前回見通し(0.0%)と同じだったが22年度は+1.1%(同+0.9%)に引き上げ、23年度は+1.1%(同+1.0%)と想定以上に「ハト的」予想となった。

  • 2022-01-20 13:00
    見通し
    【FXトピック】10%円安が0.8%GDP押し上げ=日銀

    日銀は19日、円安が10%進めば実質GDPを年間0.8%ほど押し上げるとの試算を公表した。10-19年の経済情勢をもとに推計、輸出企業の収益改善や訪日観光客の増加等が寄与するという。

    円安は輸入品の価格上昇で内需企業や家計負担を高める面があるが、全体では景気にプラスの影響を及ぼすとした。

    一方で日銀は生産拠点の海外移転などで円安による輸出数量押し上げ効果や輸出企業の生産や雇用増への波及効果は弱まった可能性も合わせて示した。

  • 2022-01-19 17:48
    ニュース
    「実質GDP、0.8%押し上げ」日銀試算、10%円安で=日経

    日本経済新聞によると、日銀は19日、円安が日本の経済成長を押し上げるとの試算を公表した。2010〜19年の経済情勢をもとに推計したところ、円安が10%進めば実質国内総生産(GDP)を年間で0.8%ほど押し上げる。輸出企業の収益改善や訪日観光の増加が寄与する。円安は輸入品の価格上昇で内需企業や家計の負担を高める面があるが、「全体では景気にプラスの影響を及ぼす」とした。

    日銀は円安が輸出の数量を押し上げる効果が弱まってきているとの分析も示した。生産拠点を海外に移す企業が増えているためだ。かつてのように円安により輸出企業の国内生産や雇用が増えるといった波及効果も弱まっている可能性がある。
    一方、スマートフォンなど家電を中心に輸入品の比率が高まっており、円安が家計の負担増につながりやすい面がある。最近はエネルギー価格の上昇もあいまって、消費心理に逆風にもなりうる。20年以降は新型コロナウイルスの影響で訪日観光が急減し、円安のプラスの効果が落ちている面もある。

  • 日銀総裁「賃上げは極めて重要」 脱デフレに向け、政策変更を否定
    1/18(火) 18:25配信
    共同通信

     日銀は18日、金融政策決定会合後に公表した「経済・物価情勢の展望」で、2022年度の消費者物価の前年度比上昇率が1.1%になるとの見通しを示し、昨年10月時点の予想から引き上げた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、デフレ脱却に向けて「賃金上昇は極めて重要」として、賃上げと景気回復の好循環の実現に期待を示した。資源価格などを主因とする物価高は「一時的にとどまり、持続的になり得ない」とした。

     黒田氏は23年度でも消費者物価の上昇率の見通しが前年度比1.1%にとどまることを踏まえ「利上げや、緩和的な金融政策を変更することは全く考えていない」と強調した。

  • 金融政策の修正必要ない、物価2%達成まで粘り強く緩和=日銀総裁
    1/18(火) 16:14配信

     日銀の黒田総裁は18日の金融政策決定会合後の会見で、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比が2023年度にかけて1%程度の上昇率にとどまると予想される中、「現在の金融緩和を修正する必要は全くない」と述べた。

    [東京 18日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は18日の金融政策決定会合後の会見で、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比が2023年度にかけて1%程度の上昇率にとどまると予想される中、「現在の金融緩和を修正する必要は全くない」と述べた。2%の物価安定目標を達成するまで現在の緩和策を粘り強く続けていく考えを改めて示し、市場の一部で浮上していた金融緩和修正観測を否定した。

    <金融政策の変更、「全く考えず」>

    日銀は同日発表した最新の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、2022年度と23年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)上昇率見通しの中央値を引き上げたが、いずれもプラス1.1%と日銀が目標として掲げる2%にはなお距離がある。

    黒田総裁は、2%まで遠い状況下で「利上げとか現在の緩和的な金融政策を変更するというようなことは全く考えていないし、そうした議論もしていない」と語った。

    日銀は今回の展望リポートで物価見通しのリスクバランスを「おおむね上下にバランスしている」と表記し、14年10月以降継続してきた「下振れリスクの方が大きい」との表現から変更した。

    総裁は、前回展望までは感染症や海外経済に起因する下振れリスクに加え、物価が上がりにくいことを前提とした企業慣行や考え方が根強く残る中、下振れ方向を強く意識する見方が大勢だったが、今回は最近の企業物価の上昇や日銀短観におけるインフレ予想の高まりを踏まえ、上振れ方向へのリスクも意識する必要があるという考えに至ったと説明した。

    その上で、物価見通しのリスクバランスの評価が変わったとはいえ「直ちに2%に近づく状況は考えにくい」と述べ、リスクバランスの変更に伴う政策修正思惑を否定した。

    <物価が安定的に2%達成するまで緩和維持>

    日銀は決定会合後に公表した声明文で、当面は新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要なら躊躇なく追加緩和を講じると改めて表明。政策金利は「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準」との文言も変えなかった。

    黒田総裁は「必要ならさらに長短金利を引き下げるということをコミットしている」と述べた。物価上昇率が安定的に2%を達成するまでそうするのかとの質問に「そうだ」と答えた。

    足元の物価上昇は国際商品市況の上昇波及などが要因。黒田総裁は「商品価格の一時的な上昇を金融政策で止めるのは適切でない」と述べた。賃金と物価がともに上昇する姿が望ましく「そういった意味で2%が持続的に達成される状況になれば、当然、金融政策の正常化や出口の議論になると思うが、今のところそういった状況は全く想定されない」と述べた。

    黒田総裁は「強力な金融緩和を粘り強く続けていくことで、企業収益の増加や労働需給の改善を促し、賃金と物価が持続的に上昇していく好循環の形成を目指していく」と語った。

    <政策修正、必要なのは政治の「助け舟」か>

    総裁会見を受け、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア・マーケットエコノミストは「今後の経済や物価の状況次第で認識も変わるとは思うが、少なくとも今日の段階では、安定的な物価2%目標達成前に政策修正する可能性はかなり低いというメッセージが伝わってきた」と指摘。

    「足元の為替状況も悪い円安ではないとしており、政治サイドから明確な政策修正を求めるような『助け舟』が出ない限り、早期の政策修正は難しいだろう」と話した。

    黒田総裁は会見で、為替市場での円安について「全体として経済にプラスに作用しているという基本的な構図に変化はない」と述べ、「悪い円安とは考えていない」と話した。

    (和田崇彦、杉山健太郎)

  • 日銀「大規模金融緩和」維持 英米“利上げ”の中…
    1/19(水) 10:06配信

     世界的に引き締めの動きがみられるなか、注目されていました。

     日銀・黒田総裁:「日本銀行は、2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します」

     日銀の金融緩和策に変更の動きがあるのか注目されていた、18日までの「金融政策決定会合」。

     しかし、黒田総裁は「変更は全く考えていない」と述べ、短期金利をマイナスにし、長期金利を0%程度に抑える、現状の大規模な金融緩和を維持することを決めました。

     一方で、2022年度の消費者物価指数の見通しについては、前回10月より0.2ポイント高い、プラス1.1%に引き上げました。

     資源価格の上昇や価格転嫁、賃金上昇などが反映されるとしています。

     イギリス、アメリカが利上げに姿勢を転じるなか、緩和を維持することについては…。

     日銀・黒田総裁:「資源価格の上昇を主因とする物価上昇は、リーマンショック前の2008年に典型的にみられた通り、一時的なものにとどまることが多かったように思います。利上げとか、現在の緩和的な金融政策を変更するということは全く考えておりませんし、そうした議論もしておりません」

    (「グッド!モーニング」2022年1月19日放送分より)

    テレビ朝日

  • 2022年度 物価はプラス1.1% 「賃金UP欠かせない」 日銀 見通し
    1/19(水) 0:01配信
    フジテレビ系(FNN)

    日銀は、2022年度の物価の見通しを0.2ポイント引き上げた。

    日銀は、18日に開いた金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和策を維持することを決めた。

    また、国内の景気について、「引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」とのこれまでの判断から、「感染症の影響が徐々に和らぐもとで、持ち直しが明確化している」に引き上げた。

    一方、2022年度の物価の見通しをプラス1.1%とし、前回10月のプラス0.9%から、0.2ポイント引き上げた。

    原油などのエネルギー価格の上昇を、企業の間で販売価格に転嫁する動きが加速しているため。

    ただ、日銀の黒田総裁は、物価の上昇が持続するためには、賃金アップが欠かせないとの見方を示したうえで、「賃金の上昇は極めて重要な要素。経済全体として賃上げと景気回復の好循環が実現していくことを強く期待している」と述べた。

  • 【経済フォーカス】低インフレ、日本がうらやましくない理由
    1/18(火) 10:20配信
    THE Korea Economic Daily Global Edition

    新年を迎えた世界経済をめぐって、インフレ議論が依然として熱い。特に、米国の昨年12月の消費者物価の上昇率は、40年ぶりの最高値である前年同月比7.0%を記録し、インフレに対応するための通貨政策を巡る議論も、米国の量的緩和の中止を超え、政策金利の早期引き上げなど、緊縮基調への変更へと焦点が移っている。

    物価展望など通貨政策に対する金融市場の認識にもここ数か月間、多くの変化があった。 昨年半ばまでは、グローバル経済の回復にあわせ、主要国での財政政策や通貨政策の拡大度合いを次第に減らし、物価高騰を起こした供給網の支障が解消されれば、今年から物価が安定を取り戻すことになり、インフレは一時的なものになるだろうという予測が大勢を占めていた。しかし、昨年秋以降は、グローバル供給網の支障が、気候変動対策や保護主義的通商政策などと連携し、直ちに解消することは難しいだろうという見方が強まっている。

    冬に入って、コロナウイルスのオミクロン変異株が拡散したのも、インフレの展望をさらに悲観的にさせる要因だった。各国が防疫措置を再び強化し、延長すれば、供給網に支障が生じかねないからだ。変異ウイルスが、それほど脅威的でないというニュースは嬉しいが、マクロ経済政策の担当者らにとっては、それ自体が相当な不確実性だ。特に、インフレのかなりの部分が供給側の要因によって発生する中で、緊縮的通貨政策が景気後退の可能性を高めることを知りながらも、物価不安に対応するため政策金利を引き上げなければならないジレンマのような状況は中央銀行に大きな負担となるだろう。

    このように、世界各国の中央銀行が、インフレジレンマに陥る中、日本は断然注目を集める。日本は、月間消費者物価上昇率が2020年10月から1年間で平均-0.6%に下落しており、昨年10月から基底効果とエネルギー価格上昇でわずか0%台のプラスを示した。民間消費の回復傾向が弱い理由もあるが、インフレ問題であまりにも例外的な姿を見せている。当然、日本も世界的供給網の支障問題から例外ではなかったが、生産者物価の上昇率は昨年5月以降毎月5%を超え、第4四半期は平均8.7%を記録したことからも確認できる。日本の企業も、世界的なインフレによるコスト上昇の負担をかなり大きく感じているが、これを消費者物価上昇に転嫁せず、営業利益の縮小などで耐えているという意味だ。

    だからといって、日本がうらやましいわけではない。中央銀行である日本銀行の心も決して安らかではないだろう。現在、日本の物価状況は「失われた20年」と呼ばれるデフレ期間に続いた財政政策と通貨政策の失敗が残した傷跡だからだ。長期間、物価安を経験した日本経済では、家計が消費を増やすのに非常に慎重であり、企業も価格を引き上げにくい雰囲気が定着しているが、コロナ危機で萎縮した消費者らに原材料価格の上昇を転嫁するため、最終財の価格を引き上げるのはさらに難しいだろう。このような環境では、企業の投資が萎縮し、結局、経済全般の革新力量と生産性が低くなる。労働者も賃金上昇はもちろん、雇用安定を期待しにくくなり、消費がさらに萎縮する「低成長とデフレの悪循環」が現れる可能性が高くなる。

    このような日本の事情を考えると、米国と日本の中間程度にインフレが現れている韓国は、政策的余裕がある方だ。もちろん、通貨政策の目標が住宅価格や為替レートの安定まで含めるとしたら焦ることになるが、住宅供給や外国為替の健全性など他の要因を考慮すると、通貨政策の本質的な役割はやはりインフレーション対応にあるからだ。

    先週、韓国銀行(韓銀)が、コロナ以後、3度目の基準金利引き上げを決定した。期待インフレがあまり下がらないように管理しなければならないという点で、焦りすぎではないかという気もする。しかし、この時期に日本の過去を振り返り、今後、韓国経済にデフレの影が再び落ちる時も、今のように十分先制的に対応することを誓ってほしい。私たちが後ろを一度ずつ振り返るのは未練のためだけでなく、何かがついてきている時、それに対応する準備をする意味もあるからだ。

  • 問われる黒田日銀の「永久緩和」路線 欧米の緩和縮小とインフレ圧力
    1/18(火) 13:00配信

     「永久緩和」のまま来春の任期切れまでやり過ごそうとしてきた日本銀行の黒田東彦総裁にとって、きわめて難しい局面がやってきた。ときならぬコロナ禍のもとでのインフレに見舞われた米欧が金融引き締めや緩和縮小に動き始めたからだ。

     日米金利差がもたらす市場の動揺の問題だけにとどまらず、エネルギー高騰や部品供給の遅滞などによるインフレ圧力は日本にもじわりと強まっている。ときならぬインフレは今後、日本でもありえない事態ではなくなっているのだ。2%インフレ目標を達成するまで「現在の強力な金融緩和を粘り強くやる」という姿勢をかたくなに守ってきた黒田総裁はそのとき、どうするのか。

     18日午後3時30分から黒田総裁の記者会見が予定されている。これまでのかたくなで単調な姿勢があだとなり、唐突な路線転換はとてもできそうもない。とはいえ緩和一辺倒の説明ぶりでも通用しなくなりつつある。複雑な状況のもとで、どう発言を修正するかが注目される。

    朝日新聞社

  • 景気「持ち直しの動き」維持 オミクロン株、下振れリスクに 1月経済報告
    1/18(火) 16:05配信

     政府は18日公表した1月の月例経済報告で、景気の全体判断を「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きが見られる」に据え置いた。

     個人消費の回復が続いていることを考慮。一方、サプライチェーン(供給網)混乱の影響が和らいだことを踏まえ、生産の判断を引き上げた。

     全体判断は昨年12月に上方修正した。ただ、新たな変異株「オミクロン株」感染の急拡大を受け、1月報告では景気の先行きについて「感染症による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある」と警戒感を表明。先行きリスクに感染症を挙げるのは、4度目の緊急事態宣言下にあった昨年9月以来となる。

  • 2022-01-18 12:22
    発言
    経済・物価情勢の展望(日銀展望リポート)

    ●日本経済の先行きを展望すると、新型コロナウイルス感染症によるサービス消費への下押し圧力や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加や緩和的な金融環境、政府の経済対策の効果にも支えられて、回復していくとみられる。その後も、所得から支出への前向きの循環メカニズムが家計部門を含め経済全体で強まるなかで、わが国経済は、潜在成長率を上回る成長を続けると予想される。

    ●先行きの物価を展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、当面、エネルギ一価格が上昇し、原材料コスト上昇の価格転嫁も緩やかに進むもとで、携帯電話通信料下落の影響も剥落していくことから、振れを伴いつつも、プラス幅を拡大していくと予想される。その後は、エネルギー価格上昇による押し上げ寄与は減衰していくものの、マクロ的な需給ギャップの改善や中長期的な予想物価上昇率の高まりなどによる基調的な物価上昇圧力を背景に、見通し期間終盤にかけて1%程度の上昇率が続くと考えられる。

    ●前回の見通しと比べると、成長率については、2021年度は供給制約の影響から下振れる一方、2022年度は政府の経済対策の効果や挽回生産などを背景に上振れている。物価については、資源価格の上昇やその価格転嫁などを反映して、2022年度が幾分上振れている。

    ●リスク要因としては、引き続き変異株を含む感染症の動向や、それが内外経済に与える影響に注意が必要である。また、供給制約の影響を受けるもとでの海外経済の動向に加え、資源価格の動きやその経済・物価への影響についても先行き不確実性は高い。

    ●リスクバランスは、経済の見通しについては、感染症の影響を中心に、当面は下振れリスクの方が大きいが、その後は概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、概ね上下にバランスしている。

    (日銀HPより抜粋)

  • 2022-01-18 12:09
    発言
    当面の金融政策運営について 日銀

    1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定した。
    (1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成8反対1)

     次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
     短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する。
     長期金利:10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。

    (2)資産買入れ方針(全員一致)
     長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
     ETFおよびJ−REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約1800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う。
     CP等、社債等については、2022年3月末までの間、合計で約20兆円の残高を上限に、買入れを行う。

    2.日本銀行は、「貸出増加を支援するための資金供給」について、貸付実行期限を1年間延長することを決定した(全員一致)。

    3.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継統する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。

     引き続き、1)新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム、2)国債買入れやドルオペなどによる円貨および外貨の上限を設けない潤沢な供給、3)それぞれ約12兆円および約1800億円の年間増加ペースの上限のもとでのETFおよびJ−REITの買入れにより、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく。

     当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。

  • 2022-01-18 07:44
    ニュース
    日銀会合注目点、先行きの金融政策運営が焦点に浮上=ブルームバーグ

    ブルームバーグによると、日本銀行が17、18日に開く金融政策決定会合では、新たに示される経済・物価見通しと先行きの金融政策運営に関する情報発信に注目が集まる。物価上昇圧力が日本でも強まりつつあり、市場で金融政策の正常化観測も浮上していることが背景にある。

    ブルームバーグがエコノミスト48人を対象に5−12日に実施した調査では、47人が今回の会合で金融政策の現状維持が決まると予想した。会合終了後には、金融政策運営の方針とともに新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)が公表され、黒田東彦総裁が午後3時半に記者会見する予定。

    ドイツ証券の小山賢太郎チーフ・エコノミストは、「注目はインフレ見通しで、明確に上方修正されれば、金融市場における日銀の政策正常化期待が高まる可能性がある」とみている。
    消費者物価(除く生鮮食品)は上昇傾向が続いており、前年比上昇率の見通しは2022年度を中心に上方修正も視野に入る。複数の関係者によると、会合では「下振れリスクの方が大きい」としてきたリスク評価の変更も議論する。2%の物価安定目標の実現は遠く、変更されても金融緩和の継続方針に変化を迫るものではないという。

  • 2022-01-17 23:33
    見通し
    日銀会合、物価上昇警戒と緩和堅持にらむ=前週は利上げ可能性議論の報道も

    日銀は17-18日に金融政策決定会合を開催している。前週末14日には「日銀が物価目標の2%達成前に利上げが可能か議論している」との報道があり、日本株の下落と円高の材料となる場面があった。さらに14日にはロイター通信が、「日銀の黒田東彦総裁は、日本でも物価が上昇し始めていることについて、その要因や今後予想される展開を整理した上で、3月会合に報告するよう執行部に指示を出す可能性もある」と伝えている。

    1718日の政策会合では、2022年度の物価見通しも上方修正される公算となってきた。こうした状況もあり、僅かでも日銀による物価上昇への警戒姿勢の高まりや、金融緩和強化の見直しが示唆されると、株安と円高の要因となり得る。
    反対に黒田総裁は14日の円高・株安の教訓もあり、改めて「忍耐強い」金融緩和の長期化をアピールする可能性も消えていない。その場合は日銀の緩和見直し警戒が、一旦の後退へと作用。日本の株高と、ドル/円、クロス円での全般円安が後押しされそうだ。

  • 今年の日銀金融政策、岸田政権が物価高懸念なら調整との見方も
    1/17(月) 8:30配信

    (ブルームバーグ):

    2022年の日本銀行の金融政策運営を巡り、エコノミストは今夏に参院選を控えている岸田政権の物価高への対応に注目しており、政権内で懸念が強まった場合は日銀の政策調整もあり得るとの見方が出ている。

    ブルームバーグのエコノミスト調査(5-12日実施)では、8割が物価上昇や円安進行に対応して日銀が年内に何らかの措置を迫られる可能性は「低い」とみているが、原材料価格の高騰や円安に伴う物価の上振れをリスクに挙げる声が増している。

    東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「今年日銀が政策変更を行うことになるとすれば、インフレ率上昇に国民が強い不満を表し、政府から対応を打診されて、日銀が動くケースだろう」との見方を示す。

    日本の消費者物価(除く生鮮食品)は昨年11月に前年比0.5%上昇と低水準にとどまるが、携帯電話通信料の大幅値下げの影響が一巡する4月以降は1%超えが見込まれている。インフレ高進が続く欧米では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに前傾姿勢となるなどインフレ抑制が政権と中央銀行の最優先課題となっている。

    クレディ・スイス証券の白川浩道副会長兼チーフエコノミストは、「物価高、資産価格高騰に対する国民感情と、それに対する政治家、政権の対応が最大の関心」と指摘する。米国の状況を踏まえて、「資産インフレを含む国民のインフレに対する嫌悪感が金融政策運営に決定的に重要な影響を与える」と主張する。

    参院選

    今年は7月25日に参院議員の半数が任期満了を迎える。岸田文雄首相にとっては、自民党単独で絶対安定多数を確保した昨年10月の衆院選に続き、参院選の結果は長期政権の基盤を築くための試金石となる。

    シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、輸入物価を押し上げる円安に関して「政府の円安に対する警戒感は、参議院選を前に既に高まりやすい状況になっているように見受けられる」と指摘する。

    物価と為替の動向次第では、日銀は物価目標達成に向けた緩和策継続とのはざまで難しいかじ取りを迫られる。エコノミストの多くは政策変更を伴わないコミュニケーションで対応するとみるが、イールドカーブコントロール(YCC)での長めの金利目標の年限(10年)短期化や長期金利の許容変動幅拡大を行うとの見方もある。

    法政大学大学院の真壁昭夫教授は、現在上下0.25%程度となっている長期金利の変動許容幅を「拡大する可能性がある」とみている。

    総裁人事

    23年春に任期満了を迎える黒田東彦総裁と2人の副総裁の後任人事を控えていることも、政権と日銀との距離を縮める要因になるとみられている。正副総裁を含む日銀政策委員の人事は国会の同意が必要で、政府が人選を行うためだ。

    エコノミスト調査では、今年の日銀関連の最大の注目点は「黒田総裁の後任人事を巡る動き」が40%と最多。「物価動向とそれが金融政策や日本経済に与える影響」の30%、「日米の金融政策の乖離(かいり)とそれによる円相場への影響」の19%を上回った。

    みずほ証券の上野泰成チーフマーケットエコノミストは、「岸田内閣はアベノミクスの基本路線を継承しており、政治の世界で円高恐怖症は根強い」とし、「日銀総裁・副総裁の交代を控える過渡期に抜本的政策変更は考えにくい」とみる。

    クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストは、7月の審議委員2人を含め、政策委員9人のうち5人が来年4月までに任期満了となる点に注目。「どのような組織も決定部隊の陣容の過半が変われば、組織としてのDNAも変わりやすい」とし、「YCCの短期化を含む政策修正のトリガーになる可能性」を見込む。

    (c)2022 Bloomberg L.P.

  • 市場に大きな影響を与えた日銀利上げ検討の報道
    1/14(金) 12:09配信
    NRI研究員の時事解説

    14日の金融市場では、来週17・18日の金融政策決定会合を前に日本銀行が、物価目標が2%に達する前に利上げをすることが可能かどうか議論している、との観測報道が流れた。これを受けてドル円は113円台まで円高が進み、債券市場、株式市場にも悪影響が生じている。

    来週18日の金融政策決定会合で、日本銀行が利上げ(マイナス金利解除)を決定する可能性はゼロに近い。こうした観測記事に金融市場が大きく反応したのは、他国と比べて物価が落ち着いている日本でも、来年度には消費者物価(除く生鮮食品)が1%を超える可能性が高まっていること、米国で利上げが前倒しに実施されるとの観測が強まる中、日本銀行が政策の現状維持を続ければ、日米金利差の拡大で円安が進み、それが悪い物価上昇を通じて国民生活を圧迫するとの批判が高まるとの見通しであること、などが背景にあるのではないか。

    しかし黒田総裁は、先行き物価上昇が高まる見通しではあるものの、それは賃金上昇などを伴う持続的なものではなく、金融政策の変更が行わない、との考えを明確に示している。

    物価上昇が持続的でなくても、一時的な物価上昇を捉えて日本銀行が2%の物価目標を達成したと宣言し、様々な副作用を生む異例の金融緩和の正常化に乗り出す、との市場の観測が従来からある。黒田総裁は、こうした観測を強く否定しているのだ。仮にそうした政策を行えば、黒田総裁が打ち出した物価目標の達成を道半ばであきらめ、いわば白旗を上げることになってしまうからではないか。

    ただし、黒田総裁が2023年4月に退任した後には、日本銀行が利上げを含む正常化策を明示的に進める可能性は十分に出てくるだろう。金融政策姿勢を巡る日本銀行内部での構図は、任期終了まで現状維持を続けたい黒田総裁、追加緩和を主張するリフレ派、正常化を視野に入れる日銀事務方、の三つ巴ではないか。それぞれが拮抗しているため、結果的に政策は現状維持となりやすい。

    来週の決定会合では、利上げが決定される可能性がほぼゼロであるばかりでなく、利上げの議論もされることはないだろう。しかし決定会合以外の場では、黒田総裁の退任後に正常化を進めるプロセスについて、既に事務方で議論をしている可能性はあるだろう。この点で、観測報道は正しい面もあると言えるのではないか。今後も、ポスト黒田体制の下で日本銀行が正常化を進めるとの観測が市場に頻繁に浮上し、それが円安圧力を食い止める役割を果たすのではないか。

    木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト)

  • ロイター通信によると、日銀は、物価上昇の持続性についてより詳細な分析を行う方向で検討しているもようだ。原材料価格の高騰が国内物価に波及し、先行き消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の伸び率が一時的に高まると予想される中、日銀の見方を公表することで、市場で生じた早期の金融政策修正観測をけん制する狙いがあるとみられる。複数の関係筋が明らかにした。

    日銀は17日からの金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を議論する。2022年度のコアCPIについて、前回の前年度比プラス0.9%からプラス1%台前半に上方修正される見通しだが、物価上昇の要因について、原材料高と為替円安に分けて影響度を示すなど詳しい分析を示す可能性がある。

    世界的な原材料価格の高騰が国内物価にも波及。日銀が14日に発表した昨年12月の国内企業物価指数は前年同月比プラス8.5%となった。コアCPIも、携帯電話通信料の大幅値下げによる押し下げ効果がはく落することなどで、来年度初めに前年対比の伸びが政策目標の2%に接近する可能性が市場では指摘されている。日銀では、今回の物価上昇はコストプッシュ型であり、政策目標の2%を安定的に上回ることに対しては慎重な声が目立つ。企業が価格転嫁を進め、広範な物価上昇となるには賃上げの広まりが重要で、春闘の動向が注目されている。

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