ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

イーレックス(株)【9517】の掲示板 2016/10/12〜2016/12/29

 経済産業省は5日、大手電力に対し、石炭火力や原子力発電所で発電した安価な電気の一部を、電力自由化で新規参入した事業者(新電力)に供給することを義務付ける方針を明らかにした。2020年度以降、新電力が安い電気を調達しやすくし、電気料金を引き下げられるよう支援する。経産省は東京電力福島第1原発事故の賠償費用を新電力にも負担させることを検討しており、理解を得る狙いもある。
 経産省が5日開いた有識者会合「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」の作業部会で示した。大手電力は原発などで発電した安い電気のうち、新電力の需要の3割分を、事業者同士が取引する日本卸電力取引所内に作る新市場へ出すことを義務づけられる。
 大規模な発電施設を持つことが少ない新電力にとって取引所は重要な調達先。しかし、大手は石油火力など発電コストの高い電力中心に取引所に供給し、低コストの電力は自社用に回す傾向にある。このため、新電力は大手に比べて目立って割安な料金を打ち出すことができず、4月の電力小売り全面自由化から半年以上過ぎた10月末でも新電力に切り替えた家庭は3%に過ぎない。新電力からは取引所の活性化を求める声が出ていた。
 経産省は、福島原発事故の賠償費用の一部を大手だけではなく新電力やその利用者に負担させる計画を立てており、「安い電気の供給を大手に説得するチャンス」(幹部)とみて供給義務化を打ち出した。ただ、賠償費用の負担と取引所の活性化という本来は別の政策を「引き換え」にしたことに「筋が通らない」(自民党議員)との指摘も出ている。
 原発は事故が起きた場合の処理や廃炉に巨費がかかるが、発電コスト自体は低い。政府は1キロワット時当たりの発電コストを原子力10.1円以上▽石炭火力12.3円▽天然ガス火力13.7円▽石油火力30.6~43.4円--と試算している。