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国際のETF VIX短期先物指数【1552】の掲示板 2018/02/07〜2018/02/14

  • >>960

    これですか?


    1552に飛び込んだ蟲たちの運命…………
    【誘蛾灯(1552)物語/最終章】

    ばちっ。
    少し大きな音がして、視線を移せば、白い光の周りを虫(ロンガー)が飛んでいた。

    ――今のは、虫が死んだ音だろう。

    暑い夏の日。
    つっと肌を伝う汗をぬぐいながら、その白い光よりももっと明るいコンビニの店内に眼を細める。彼はわずかに肩をすくめて、ふと思い出していた。――笑いながら語る友人の顔だ。

    (――要するに、飛んで火に入る夏の虫っていうのはよ、『夏の虫』を嘲ってる諺なわけだ。だってそうだろ?

    火に入った虫は死ぬしかないからな。――だけど俺はこう思うわけだ。火に入っていく虫って言うのは、たぶん……)

    ばちっ。
    思考を遮る、大きな音が鳴った。白い光に近づいていくと、足元に大きな蛾が痙攣して落ちていた。
    「……知っていたのか」
     我知らず呟きが漏れた。
    「……死んでいく蛾は、知っているのか?」

    (――たぶん、知っているんだよ。白い光(1552)に入れば死ぬってことを。でも入らずにはいられないんだ。

    何故かって……入らなければ、自分が生きていることを否定することにもなりかねないからさ)

    冗談交じりのその言葉が今になって引っかかるなんて。

    (――だってそうだろ? 自分で自分を否定しながら生きていくのと、自分の生き方を貫いて死んでいくのと――どっちが幸せだと思う?)

    『それ』は単なる死体に過ぎなかった。
    『それ』が生前浮かべていた、皮肉にも見えた自信たっぷりの笑みも。
    『それ』が言った全ても嘘のようにその苦しげな顔に否定されて。

    「あんたは、知っていたのか……?」

    彼はぶつぶつと呟きながら、小さな痙攣すらも無くなった蛾の死体を拾い上げた。

    ぼろ、と羽が崩れ落ちて、羽を失った体が手のひらの上に残った。

    ばちっ。
    また音が鳴った。知っているのだろうか。知っていたのだろうか。これから死んでいく虫と。既に死んでしまった虫と。
    ……それらは自分が死ぬことを、知っているのか。また、知っていたのか。

    それならばもしかしたら愚かなのは、こんな白い光を用意した、『虫(ロンガー)』を馬鹿にする『人間(三🔴UF🔴国🔴投信)』の方では。

    蟲(ロンガー)たちは、いずれいなくなる…………

    静かに、ひっそりと…………