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日揮ホールディングス(株)【1963】の掲示板 2016/12/01〜2017/06/30

日揮、「中低温排ガス向け乾式脱硫・脱硝システム」を中国で事業展開

世界初の「中低温排ガス向け乾式脱硫・脱硝システム」を中国で事業展開

大気汚染防止法の適用範囲拡大に対応

 日揮株式会社は、世界初の低温から中温までの排ガス向け乾式脱硫・脱硝システムを開発し、中国で排ガス規制が強化されたコークス炉など向けに、技術供与およびシステム導入に関する事業展開を図っております。

 中国では、2015年8月に大気汚染防止法が改正され、規制が強化されました。しかしながら、設備の排ガスの脱硫・脱硝装置においては、石炭火力発電所からの高温排ガス(300℃以上)と比較して、排ガス温度が低いことから(300℃~100℃)、かねてから下記の課題が指摘されておりました。

1)中低温排ガス中に含まれる硫黄酸化物が、脱硝の還元剤として使用するアンモニアと反応して、脱硝触媒上に酸性硫安として析出し触媒寿命を著しく毀損するため、脱硝の前に十分な脱硫を行う必要がある。

2)石炭火力発電所の排ガスの脱硫技術で一般的に用いられている湿式脱硫法では、水を使用するため排ガス温度が低下することから、後段の脱硝過程で十分な脱硝を行うためには、排ガスを再加熱する設備、そのための燃料、ならびに排水処理設備が必要となる。

3)石炭火力発電所向けの従来の高温脱硝触媒では、低温排ガスでは十分な性能が発揮できないため、低温でも高い脱硝活性を発揮する脱硝触媒を供給する必要がある。

 日揮は、大気汚染防止法が強化された中国での事業展開を視野に入れ、2013年から排ガス温度が低下せず、水を使わないため排水処理の必要がなく、かつ100℃から300℃以上まで幅広い温度範囲で高い脱硫性能を示す乾式脱硫法と、低温脱硝触媒の組み合わせによる世界初の中低温排ガス向けの脱硫・脱硝システムの開発を進めてまいりました。

 中国では、大気汚染防止法に対応するこの脱硫・脱硝システムが注目されており、宝聚は新たに同システムによる5件の脱硫・脱硝設備を受注し、日揮との協業で現在遂行しております。


 日揮は、中国ではこの脱硫・脱硝システムに関し、今後コークス炉、のみならずゴミ焼却、ガラス工場への適用拡大が期待できることから、宝聚と協力して取り組み、将来的には両社出資による事業会社の設立も視野に入れて、マーケット拡大を図って行く予定です。