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JTP(株)【2488】の掲示板 2017/08/10〜2017/10/16

ゲームから自動運転へ 米エヌビディアの半導体展開力
パソコンゲーム用に使われてきた画像処理半導体(GPU)が、自動車の自動運転向けにも用途を広げつつある。新たな需要への期待を背景に、GPUで世界首位の米エヌビディア(NVIDIA)の株価は2年間で約8倍に上昇した。米テスラ、独アウディ、トヨタ自動車など大手自動車メーカーが相次ぎ採用するなど、エヌビディアのGPUは自動運転技術の開発に不可欠のデバイスになってきた。

リアルタイムでゲーム画面を描画するGPUは、現実の光景をリアルタイムで認識するコンピューター用にも向いていることが分かってきた。そこで自動運転を目指す自動車メーカーがこぞってGPUを採用することになった。

GPUはリアルタイムの画像認識だけでなく、コンピューターが自ら学ぶディープラーニング(深層学習)にも使われる。GPUを組み込んだスーパーコンピューターに、膨大な数の自動車や人間の写真を読み込ませて、人工知能(AI)に車や人間と識別する方法を学ばせる。ディープラーニングの作業も、単純ながらも膨大な計算をこなさなければいけないという点ではグラフィックス処理と似ている。GPUが得意とする領域だ。

自動運転の実験では、車載コンピューターと、車が集めた画像データから学習するスーパーコンピューターの両方にGPUが使われることが多い。

工作機械のファナックが2016年秋にエヌビディアと提携を発表したように、自動運転以外でもGPUの活用は広がっている。「医療の画像診断や防犯でも採用されている。AIが入るあらゆる分野でGPUの需要が拡大すると期待している」と大崎氏は話す。

 ゲーム用半導体が自動運転やAIで採用されるようになったのは偶然ではない。エヌビディアが大学や研究所などに向けて科学技術用のGPUを発売したのは06年。株式市場がGPUの大きな可能性に気がついたのはここ1~2年だが、エヌビディアの経営陣は10年前から、GPUがAIや自動運転を担う未来を構想し、種をまいてきた。

 エヌビディアの現在の売り上げの大半はまだゲーム用やCG(コンピューターグラフィックス)制作のパソコン向けだ。AIや自動運転が成長分野だという認識が広がる中で、米インテルなど大手半導体メーカーも本格的に参入し、これから競争は激しくなる。エヌビディアがまいた種を収穫できるか、これからが正念場になる。

AIが入るあらゆる分野で需要が拡大