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不二製油グループ本社(株)【2607】の掲示板 2015/04/28〜2019/06/06

日経記事より 売れなくなったね!!!

不二製油、株価堅調を演出した黒子の変身

 不二製油グループ本社の株価が堅調だ。年初来の上昇率は2割に達し、11日には4140円の上場来高値を付けた。製菓材料などを食品会社に提供するBtoB(企業間取引)に特化している同社は、いわば食品業界の黒子。とかく地味な存在として株式市場でも埋もれがちだったが、ここ数年の株価チャートはきれいな右肩上がりで、1000円前後が長く続いた過去の面影はない。足元の業績好調に加え、ESG(環境、社会、企業統治)に配慮した経営をテコにした成長戦略が株式市場から評価されている。

 市場では「清水洋史社長が就任してから、会社が大きく変わった」(国内証券)との評価が多い。
変わったのは点は2つある。

 ひとつめは業績だ。2019年3月期の連結純利益は140億円と3期連続で過去最高を更新する見通し。15年にブラジルの業務用チョコレート最大手を買収するなど、成長著しい海外の新興国での事業を拡大してきたのが奏功している。海外売上高比率は18年3月期実績ベースで43%と、5年前に比べ13ポイント上昇した。

 もうひとつは顧客のニーズを掘り起こす姿勢だ。例えば、チョコクロワッサンの原料。これまではチョコレートとクロワッサンの生地を別々に出荷していたが、クロワッサン生地にあらかじめチョコを詰めた製品を売り出した。生地を焼くだけでチョコクロワッサンが出来上がるように工夫されており、人手不足に悩むパン店からの注文が増えた。

 他にも、食品メーカーに対して豆乳製品を使った外食向けメニューを提案したり、飲用のドコサヘキサエン酸(DHA)のマーケティング手法を食品会社と共同で練ったりしている。豆乳が原料のチーズや魚臭くないDHAなど、同社には高い技術を生かした独特な商品が多いが、これまでは思うように売り上げを伸ばせずにいた。取引先のメーカーや消費者のニーズに向き合うことで、こうした商品群が徐々に上向いている。

 中長期での成長期待も株価を押し上げている。原動力のひとつになりそうなのが、現地企業と合弁で設立した、間もなく稼働予定のマレーシアのパーム油生産工場だ。

 パーム油の主要生産国のインドネシアやマレーシアでは、原料となるアブラヤシの農園による環境破壊や児童労働、強制労働が国際的な批判を浴びていた。パーム油の需要が拡大している欧州は環境意識が高く「生産過程が明確でないものは買ってもらえない」(同社)。このため、不二製油の工場はアブラヤシ畑の中央に設立して従業員の様子を確認できるようにしたほか、動力をバイオマス発電で補うなど環境にも配慮した。

 足元の業績も将来も順調に見える同社だが、PER(株価収益率)は24倍台。食品業界の平均(23倍台)をわずかに上回る水準にとどまり、成長期待の高い銘柄の値とは言い難い。ソーセージのつなぎに使われる大豆原料など、採算の悪い商品を抱えることが一因だ。

 18年3月期の国内事業の売上高営業利益率は7%。大和証券の守田誠シニアアナリストは「国内事業の利益率を2ケタに引き上げ、海外投資を進めるためのキャッシュカウ(安定した資金源)にすることが、さらなる成長には必要だ」と主張する。高付加価値品の拡大だけでなく、今後は低採算事業からの撤退も課題になりそうだ。