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(株)サンエー【2659】の掲示板 2015/04/08〜2022/02/24

まだまだ期待できそうです!

訪日客の恩恵広がる
関西で消費1兆円、沖縄8.5倍
2018/4/2 2:30 朝刊 [有料会員限定]
2017年に4兆円を超えたインバウンド(訪日外国人=総合・経済面きょうのことば)消費額を都道府県別に推計したところ、地域への恩恵が広がっていることがわかった。東京都の1兆6000億円に続き、関西も1兆円を突破。沖縄なども伸び個人消費で大きな割合を占めるようになった。生産や輸出に波及する地域もあり地域経済に好循環を生みつつある。(関連記事総合・経済面に)


訪日客らでにぎわう大阪・道頓堀
日本経済新聞は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの協力を得て、観光庁がまとめた全国の訪日客消費額4兆4162億円から都道府県別の額を推計した。それによると東京都が1兆6862億円でトップ、大阪府8709億円、北海道2857億円、京都府2331億円が続く。


■行き先多様化
関西は訪日客に人気だが、5年前と比べると大阪府は5.1倍に拡大。京都府は全国を下回る3.4倍にとどまり、順位も北海道に抜かれて4位に落とした。京都は大阪に比べて富裕層向けのホテルやブランド店が少ないのが影響している。

例えば大阪のミナミ(難波、心斎橋地区)では高級ブランド時計店が目立つ。高島屋大阪店が16年11月に開いた高級時計売り場は3千モデル以上そろえる品ぞろえが富裕層をとらえ、1個数百万円の時計が次々に売れる。17年にはスイスのオーデマ・ピゲなど3ブランドが出店。「東京・銀座だけだった高級ブランド時計店が集積し始めた」(不動産サービス大手CBREの橋川剛氏)

富裕層をつかむ大阪の消費額は府の主力産業、一般機械の付加価値額を上回る規模に成長した。日銀大阪支店は関西全域(2府4県)への波及効果を16年度で3362億円と試算。関西の成長率を13~16年度に年平均0.2%押し上げたと分析している。

設備投資につながったのがチョコレート菓子「キットカット」だ。ネスレ日本は昨夏、26年ぶりの新工場を兵庫県姫路市で稼働させた。「抹茶味など日本発キットカットは海外にファンが多い」(高岡浩三社長)ためで、関西国際空港近くに訪日客専門店も設けた。

訪日客は東日本大震災後、円安やビザ発行緩和で急速に拡大。当初は東京―富士山―関西の「ゴールデンルート」に集中したが、リピーターらの増加で地方に向かい始めた。消費額上位で伸び率が高いのは沖縄県の8.5倍、福岡県の6.8倍、北海道の6.2倍で、恩恵が地方に広がっていることを裏づける。

特に沖縄県は県内総生産の消費に占める訪日客消費の割合が6.3%と全国で最も高くなった。これは県民の教養娯楽費に近くファッション代の2倍に相当する。滞在が長く県内各地を回ってお金を落とすためとみられ、売り上げデータから「こんなに遠くに行っているのか」と驚く県内小売り大手サンエーの上地哲誠社長は免税店を6店増やし約20店にする。

沖縄県の観光客は17年にハワイを抜き、アジアを代表するリゾートとして認知が高まる。その効果は輸出に波及し、沖縄特産のアグー豚など豚肉の輸出は16年度に10年度の6.4倍になった。

■なお地域差も
西日本で伸びが目立つのは大型クルーズ船の寄港が急増しているのが理由の一つだ。ただ取り込みには地域差があり、12年に訪日客消費で最下位を争っていた高知県と島根県は17年、高知県が大きく伸ばす一方、島根県は低迷を続けている。

高知県は大型船岸壁を整備し、12年に6回だったクルーズ船の寄港が17年は42回。免税店も14年の4店から116店に増やした。5万~6万円する特産の赤サンゴ宝飾品が中国人客に人気で消費額を押し上げている。

一方、島根県は国際定期便が就航する空港や国際旅客フェリーが寄港する港がない。出雲大社が「縁結び」で若い日本人女性の人気を集めていることもあり、訪日客にあまり目が向いていない。

6月には民泊が解禁され、訪日客の裾野が広がる。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員は「人口減が進む地方ではインバウンド消費をいかに取り込むかが地域経済の成長力を左右する」と指摘している。