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日本食品化工(株)【2892】の掲示板 2015/04/28〜2022/11/02

 この会社は、とうもろこしからコーンスターチを製造する企業だ。コーンスターチ産業は、食品、甘味料、製紙、段ボール等の産業資材として広く使用され、その産出規模は3000億円にも達して、砂糖産業と肩を並べるほどになっている。この会社以外に、昭和産業、群栄化学、王子製紙などが、子会社あるいは会社の一部門として営業しているが、専業の上場企業はここだけである。そのため、産業四季報などには個別産業としての記述もなく、産業全体としての業態が把握し難い。
 4月末に開示されたこの会社の決算は、売り上げが大幅に減少したにもかかわらず、原料および燃料価格が低位に推移したため増益となり、配当(24円)も当初予定を大幅に上回る好決算となった。
 株価も好決算を反映し、1月31日の445円から大幅に上げ、3月14日には718円の高値を付け、その後は今期決算の減益予想から売られ530円近辺にあるようだ。
 問題は、会社が出している今期見予想が、甘いか辛いかである。
 TPP交渉でアメリカなどから、でんぷん産業の保護政策が問題視されたことから、政府業界からの情報がガードされているため、業界全体としての情報が乏しい。とはいえ、売り上げの6割強を占める糖化製品が、甘味離れで頭打ちになっているところへ、業界大手の新工場建設などの動きもあり、価格維持が難しいとの声も聴かれる。
 昨年決算で、昭和産業、群栄化学のでんぷん部門が不調だったことや、この会社が出している原料コストが、先期実績より好転しないことを考えると、売り上げ減を見込んだ今期決算が会社予想より良くなることは考え難い。  
 長年続いていた原料割当制度の撤廃、川下業界の再編による価格交渉力の退化、それに増設競争と、この会社を取り巻く経営環境の好転は、しばらく期待できそうにない。
 これだけ減収が続き、しかも主製品の異性化糖の見通しが暗いとなれば、EPSを10倍程度に買うのがせいぜいで、長期的みみると1月以前の400円前後がこの株の居所となってもおかしくない。