ガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)【3765】の掲示板 2018/06/15〜2018/06/27
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>>85
(*^o^)キャハハ
そのタイミングで願宝
株分けしてサンバの木がじゃぶじゃぶ
つづきは? -
>>85
願宝堂奇談
アホルダー百物語
「株精…休日閑話」後編
金田君というのはウチへ遊びに来るんだからやはり悠長な男には違いありません
ただ愛田君とは全く対象的なのです
岩石みたいな顔をして全くモテない、ソッチの方は一生、プロのお世話になるからいいやとウソぶいている
これも家に資産はあるほうで当人は親のコネでテレビ局へ入りました
いまの仕事は夕方に再放送するアニメの翌日放送分を作る、CMを入れてマスターテープからダビングしてその日の業務は終了だそうで
仕事に熱意はあんまりなくて金が趣味なんだとか
ウチへはもちろんただ遊びに来るだけですが、話題はたいてい株で高値掴みした失敗談に終始する
今回もまたガ◯ホーをナンピンしまくったら大含み損になったというので、愛田君とは全く対象的で、思わずこちらが感無量といったところでした
翌週のことです
愛田君が蒼い顔で目を充血させてやってきた
「彼女が消えました…」
「家出かい、蒸発したのか?」
訊くと首をふって、
「目の前で雲散霧消したんです!」
聞けば例の美人は2人で家で夕食中に突然、苦しみ出すと、
「あっ、父が切られました…次は母が…いまは私…」
驚いた愛田君は立ち上がってただ震えていた
「私は人間ではありません。あなたに一目惚れして親にも無理をいった自分は自業自得でも、こんなふうに別れてあなたを1人にするのは気の毒で口惜しい…今日までありが…」
ハッと気づいた愛田君が腰の引けていたのを恥じながら慌ててかけより彼女を抱きしめると…もうそれは中身のない服だけでした
わけもわからず一晩、泣き明かしてから再びN県のあの家を訪ったそうです
「景色は一変していました。願峰の麓は辺り一面、サンバの木が伐採されて、家は残っていましたが明るい中でいま見ると崩れかけた廃屋で長年、人が住んだ気配もありません。ただ家のすぐ前に真新しい切り株が三つ残されていただけです」
「『聊斎志異』に菊の精と契る話があって日本でも『多満寸太礼』では柳の精と契るが、いまどきそんな体験をするのはキミならではだろうな」
メソメソする相手に同情するより感心していると、今度も金田君が現れた
「先週から始めてやっと全部、損切りしましたよ!」
私は思わず、
「モテないからって人の恋路を邪魔するなよ」
「ハア?」
物理的には目の前に居並ぶ2人は全く別な宇宙の住人なのでした
ほな
三年与太郎 2018年6月17日 22:41
>>83
願宝堂奇談
アホルダー百物語
「株精…休日閑話」中編
愛田君は先月、N県へ行ったそうです
「山奥の半導体工場に用がありまして」
「君とは妙な取り合わせだな〜」
「まあ、野暮用です。要件は無事に済んで、帰りにふと思い出しました。近くに伯父さんの家があったんです。子供の頃、一時期、そこへ預けられていたことがある。もう伯父夫婦もいませんが、ふと懐かしくなってその場所を訪ねる気になって、途中まで工場のクルマで送ってもらって歩きました。記憶を頼りに山中をウロつくと、ひときわ高い峰の麓にそれらしい景色があって、もっとも辺り一面、見覚えのない曲がりくねった木が生えていました。昔は杉や檜の山だったんですが。そろそろ伯父の家の辺りだと思うと、目の前に美人が」
「妙だね」
「妙です。電撃的な出逢いです。ギリシア彫刻を薄味に削ったような美人が宵闇の中に立っていて、こちらはポーッとして黙っている、向こうもジッとこちらを見ている。やがて彼女はついと姿を消し、こちらは道を聞こうと追いかけると、先方が駆け込んだ木の間に埋れた家が、まさにかつての伯父の家でした」
「手間が省けたね」
「残っていても廃屋だと思っていたら、そこには老夫婦と不似合いに若い娘がいたんです。一家は歓迎してくれて、泊まることになりました」
「展開が早いな」
「酒と食事をふるまわれつつ老人に『後ろの山は何というんです?』『願宝と申します』『人が踊るようなシルエットの木が群生していますね』『サンバの木です。株分けしたら爆発的に増えまして』そんな悠長な挨拶を交わしながら目は横に控える娘に向かう。彼女もこちらをチラチラ見ている。と、老夫婦は急に居住まいを正して『娘をもらってくれまいか。一目惚れしたというておる』こちらも驚いて『実は私も。喜んで』と答えました」
「ますます展開が早いな。イケメンは突発的にデキ上がるから油断できない」
「それで、籍だとか手続きは後でいいというんで、そのまま翌朝、連れ帰りました。以来、毎日がシアワセなお陰で、こちらにも足が遠のいたのです」
「唐突なだけにロマンティストの面目躍如だな。この次はぜひ同行して美人の顔を拝ませてくれよ」
「見るだけですよ」
「当たり前だ」
そこへもう1人やってきた
金田という男です
開口一番
「マイッたな〜。エラい含み損になちゃって」
こちらは全く色気がありません
続く
ほな