ここから本文です

地価上昇、地方に広がり 福岡など三大都市圏上回る             2017/9/19 20:22

 2017年の地価上昇は地方都市にも広がりをみせた。
中心部や駅前で再開発が進み、中核都市での地価を押し上げる要因になっている。
工業地も物流施設の増加を背景に26年ぶりのプラス。
東京など利便性の高い地域の活発な取引が周辺に波及している。
緩和マネーの拡大が全国を潤すが、長らく続いた資産デフレは解消へようやく一歩踏み出したところだ。

 ■商業地
2年連続の上昇となった商業地。
地方の政令指定都市がそのけん引役を担った。
福岡、広島、仙台、札幌の4市の上昇率は7.9%。全国の0.5%、三大都市圏の3.5%を大きく上回った。

 九州最大の繁華街、福岡・天神。再開発への期待から同地区のビルは前年より16.5%上昇し、
県内で最高値だった。
福岡市は「天神ビッグバン」と銘打って建物の高さや容積率を緩和し、再開発を加速している。

 目玉は中心部の廃校になった小学校跡地。
事業者の公募が始まる今秋を前に、隣接する土地と建物を西日本鉄道が61億円で取得。
土地の坪単価は単純計算で約1千万円に上る。
地元金融機関は「相場の倍。考えられない高値」と驚く。

 仙台市では仙台駅東口で18.3%と高い伸びを示した。
仙台駅は西口を中心に発展したが、駅の東西を結ぶ自由通路が昨年完成。
遅れていた東口の再開発に弾みがついた。
地元の不動産鑑定士は「駅周辺の上昇傾向はしばらく続く」と明言する。
広島駅でも10月に新しい「駅ナカ」商業施設が開業するなど、再開発案件が目白押しだ。