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(株)ユークス【4334】の掲示板 2018/01/25〜2018/06/26

>>230

――WWEで2年近くやって、日米のプロレスに違いはありますか。
「レスリングの基本は同じ。リング上の闘いという名のストーリーで人を感動させたり、熱くさせたり、時には笑わせたり。闘いで人を興奮させるのがプロレスの基本です。日本のプロレスは技の正確性などレベル自体はもともと高いです」

「見せ方は違います。例えばテレビ放映と、会場の観客だけに見せる場合。テレビは番組製作のために厳しいタイムスケジュールで試合をしないといけない。与えられた時間内で自分をどれだけ出せるか。カメラにどんな角度で撮られたいか、位置取りも考えないと。米国には(試合展開などに注文をつける)プロデューサーがいる。会社の意向であるストーリーに、どれだけ肉付けできるかに集中しています」

■「何だこいつは」で印象づける
――観客の違いは。

「いまだに探っていますね。米国の文化や気質とか、言葉ではない部分が大きい。ずっこけ方でも日米で受けるポイントが違う。表情だったり、手足の動きだったり。『何だこいつは』『あれ、おかしいぞ』と印象づけないとだめですね」

――中邑選手は日本ではベテランの域に入りつつありました。米国移籍後に指導や研修などはあったのでしょうか。

「フロリダ州にある拠点には専門のコーチがそろっていました。プロレスのクラスだけでなく、肉体強化、演技のクラスもあります。マイクパフォーマンスも練習しました。ただ自分のものにどう落とし込むかはその人のセンスによりますね」

――「WWEの経営を内側から見てみたい」という希望もあったそうですね。実際どうですか。

「米国は専門的だと思います。プレーヤーも裏方も。選手の移動を支える旅行代理店のような部門まである。あと投資をしていますよね。今はフェイスブックと組んで男女混合の試合を配信している。ビンス(・マクマホン会長兼最高経営責任者)が直々に選手を集めて『テレビのストーリーラインとは違うものだから力を入れてやってほしい』と」
「責任者の所在もしっかりしている。その分、ピリピリしていますけれど。基本的にトップダウンの会社だから意思決定が速いですね。数字で判断するところはシビアです。選手のグッズも売れ行きを厳しくみて、半年先の発注をかけている」

  • >>231

    ――WWEはグローバル化にも力を入れています。テレビだけでなく、インターネットの定額映像配信「WWEネットワーク」で幅広いファンの獲得にも熱心ですよね。

    「パイを広げれば広げるほどネット配信の収入が増えるので、中国やインドに力を入れていますね。中国人やインド人のレスラーもこれから増えるのではないでしょうか。WWEネットの加入者は専門的に視聴しているので、米国の田舎よりも中南米での試合のほうがお客さんが熱かったりします。昨年はテレビ放映されていない北欧に行きましたが、客席は満員で、米国と反応も同じ。闘いを見るという文化はどの国もあります。本能的に人間が求めている。言葉じゃなくても伝わるものを求めて、僕はパフォーマンスしています」

    「ネットやユーチューブの普及で、外国のファンや興行主からも『この選手を見たい』という声が出やすい。僕が米国に移れたのも、米国のファンに既に知られているという強みがありました」

    ■「世界の度肝、抜きたい」

    ――1月28日に「ロイヤルランブル」に優勝し、4月8日にニューオーリンズで開かれるプロレス界最大の祭典「レッスルマニア」のメインイベントで王座戦に挑戦することが決まりました。日本人初の快挙です。

    「これまで自分自身が納得できるパフォーマンスを見せられたか、といえばそうでもない。まだ序の口。100%を超えるパフォーマンス、それをレッスルマニアでできればいいなと。世界中の度肝を抜きたいですね」
    ■WWEは「格闘技×人間ドラマ」
    WWEは、格闘技と人間ドラマを融合させたショーで世界のファンを魅了する。試合は毎週、ケーブルテレビで生中継され、月額制のインターネット動画配信サービス「WWEネットワーク」などを含めると世界8億世帯で視聴可能だ。SNS(交流サイト)の駆使や国際スターの養成など、先進的な取り組みで注目を集めている。

    WWEのビンス・マクマホンCEOの長女でチーフ・ブランド・オフィサー(CBO)のステファニー・マクマホン氏は、WWEの一番の魅力は「ストーリーを伝えていることにある」と強調する。