4563 - アンジェス(株) 2016/09/28〜2016/10/02に戻る 527 たまご? 2016年9月29日 18:13 高血圧DNAワクチンを勉強してみました。難解なところは簡潔にまとめてあります。固いところは抜きにして読んでみてください。 肝臓から分泌されるアンジオテンシン(生理活性化物質)は、不足する塩分を体内に保持し血圧を維持するために陸上動物に欠かせないものでした。そのなかでもアンジテオシンⅡ(AngⅡ)は、副腎皮質からアルドステロンを分泌させ、このアルドステロンの働きで体内にナトリウムを貯留し血圧を上昇させることや、それ自体の強い血管収縮作用が知られています。 しかし、アンジテオシンという生理活性化物質の分泌は「陸上では塩分が不足するのが当たり前」ということを前提とした働きなので、塩分か不足することのない現代人にとっては高血圧の発症に関連し、さらに過剰に摂取している人においては、血圧の亢進が腎臓や心臓、脳、血管に組織障害的に働き、心血管病の発症に深く関与することが明らかにされてきました。 2008年 人間においてAngⅡに対するペプチドワクチンの降圧効果を確認。ただし注射部位の腫れや頭痛の副反応が高率に生じ、効果の持続期間も短いという欠点があった。 2011年11月 アンジェス社が、従来のペプチドワクチンとは違うDNAワクチン(B型肝炎ウイルスの部分蛋白にAngⅡを挿入して作成)をラットに投与し、Angllを標的とし、AngIIに対する抗体(抗AnglI抗体)を誘導させたところ、副反応がなく、しかも半年間(人間に換算すると12年間に相当)の長期降圧効果があることを発表した。 高血圧治療に有効であるとともに、高血圧を起因とする心疾患への治療効果も示唆された。 2012年4月 アンジェス社が経口ワクチンの開発を宣言。 2013年10月 経口でないDNAワクチン療法(針なし注射器使用)で、高い安全性を担保しながら有効性を向上させることができるようになり、経口投与が困難な高血圧患者の血圧制御や自然災害など緊急時の高血圧患者への対応、あるいは高血圧予防用ワクチンなどの可能性が期待されると報告。 2013年11月 米国心臓協会学術集会において研究成果を発表 2015年5月 研究成果が米国医学専門誌に掲載される。 2015年10月 犬の慢性心不全を対象とした動物用医薬品として大日本住友製薬の子会社と共同で開発することを発表。 2016年7月 オーストラリアで2017年第一四半期から臨床試験を開始する(被験者24名)と発表。高血圧DNAワクチンが人間に対しても効果があるかを探索するのみならず、副反応がなく安全であるか試されることになる。 とくに、ワクチンで作られた抗体がAngⅡを敵とみなして排除してしまうわけですから、塩分が不足しがちな夏場において意識的に塩分を補給しないと、血圧の低下や脳梗塞疾患の誘発が起こるのではないかと、素人考えながら危惧してしまいます。 ちょうど治験期間が豪州の夏場ということもあり、発汗や脱水による塩分不足・血圧低下にも配慮してほしいものです。 2016年9月 米国で高血圧DNAワクチンの特許(物質特許)が成立 そう思う45 そう思わない7 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する 証券取引等監視委員会に情報提供する ツイート 一覧へ戻る 529 #&# 2016年9月29日 18:29 >>527 たまご?さん、丁寧な解説ありがとうございます。 大変勉強になりました。 そう思う7 そう思わない3 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する 証券取引等監視委員会に情報提供する
たまご? 2016年9月29日 18:13
高血圧DNAワクチンを勉強してみました。難解なところは簡潔にまとめてあります。固いところは抜きにして読んでみてください。
肝臓から分泌されるアンジオテンシン(生理活性化物質)は、不足する塩分を体内に保持し血圧を維持するために陸上動物に欠かせないものでした。そのなかでもアンジテオシンⅡ(AngⅡ)は、副腎皮質からアルドステロンを分泌させ、このアルドステロンの働きで体内にナトリウムを貯留し血圧を上昇させることや、それ自体の強い血管収縮作用が知られています。
しかし、アンジテオシンという生理活性化物質の分泌は「陸上では塩分が不足するのが当たり前」ということを前提とした働きなので、塩分か不足することのない現代人にとっては高血圧の発症に関連し、さらに過剰に摂取している人においては、血圧の亢進が腎臓や心臓、脳、血管に組織障害的に働き、心血管病の発症に深く関与することが明らかにされてきました。
2008年
人間においてAngⅡに対するペプチドワクチンの降圧効果を確認。ただし注射部位の腫れや頭痛の副反応が高率に生じ、効果の持続期間も短いという欠点があった。
2011年11月
アンジェス社が、従来のペプチドワクチンとは違うDNAワクチン(B型肝炎ウイルスの部分蛋白にAngⅡを挿入して作成)をラットに投与し、Angllを標的とし、AngIIに対する抗体(抗AnglI抗体)を誘導させたところ、副反応がなく、しかも半年間(人間に換算すると12年間に相当)の長期降圧効果があることを発表した。
高血圧治療に有効であるとともに、高血圧を起因とする心疾患への治療効果も示唆された。
2012年4月
アンジェス社が経口ワクチンの開発を宣言。
2013年10月
経口でないDNAワクチン療法(針なし注射器使用)で、高い安全性を担保しながら有効性を向上させることができるようになり、経口投与が困難な高血圧患者の血圧制御や自然災害など緊急時の高血圧患者への対応、あるいは高血圧予防用ワクチンなどの可能性が期待されると報告。
2013年11月
米国心臓協会学術集会において研究成果を発表
2015年5月
研究成果が米国医学専門誌に掲載される。
2015年10月
犬の慢性心不全を対象とした動物用医薬品として大日本住友製薬の子会社と共同で開発することを発表。
2016年7月
オーストラリアで2017年第一四半期から臨床試験を開始する(被験者24名)と発表。高血圧DNAワクチンが人間に対しても効果があるかを探索するのみならず、副反応がなく安全であるか試されることになる。
とくに、ワクチンで作られた抗体がAngⅡを敵とみなして排除してしまうわけですから、塩分が不足しがちな夏場において意識的に塩分を補給しないと、血圧の低下や脳梗塞疾患の誘発が起こるのではないかと、素人考えながら危惧してしまいます。
ちょうど治験期間が豪州の夏場ということもあり、発汗や脱水による塩分不足・血圧低下にも配慮してほしいものです。
2016年9月
米国で高血圧DNAワクチンの特許(物質特許)が成立