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アンジェス社の可能性

2015年の医療用医薬品の売上ランキングを見るとARB単剤でもっとも売れている降圧剤は第一三共のオルメテックで年間売上739億円です。そのあとにミカルディス(アステラス製薬)611億円、ディオバン(ノバルティス)260億円、イルベタン(塩野義製薬)157億円と続きます。これらの4剤だけで1,800億円になります。
この金額が10年後には2倍の3,600億円になると予測できます。
仮にDNAワクチンがこの3,600億円の薬剤費を2,000億円に削減できれば、ARB単剤の降圧剤は、すべてDNAワクチンに置き換えてしまうことが可能になります。
DNAワクチンの年間売上が2,000億円でロイヤリティが10%なら、アンジェス社には毎年200億円入ってくることになります。
国外からのロイヤリティも期待できますので、この200億円はもっとも保守的な売上予測といってよいと思います。

なお、動脈硬化に処方されるプラビックス(抗血小板剤)は1,000億円で国内売上ランキング堂々の3位です(1位と2位は驚異的な治癒力でブレイクスルーしたC型肝炎治療薬)。
こういうわけで、今日成立した特許(動脈硬化の予防・治療ワクチン)も将来が楽しみです。魅力的な特許を持っている会社は高額で買収される可能性があります。ベンチャー企業が1,000億円で買収されることは珍しいことではなくなりました。

ブレイクスルーしたC型肝炎治療薬にしてもファーマセット社という企業が開発していたものでした。その企業をギリアド社が110億ドル(1兆円!)で買収し権利を手に入れています。
驚くべきことにギリアド社は、まだ臨床試験が進行中で、どの程度の薬効があるのか、安全性はどうなのか、まだ医薬として認可されるかわからない時期に日本円で1兆円を超える金額で買収したのです(2011年買収、2013年末に発売後1年足らずで世界で100億ドル以上を売り上げて大成功)。
アンジェス社も大型医薬に育つ特許を持つようになり先が楽しみになってきました。