ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)キャンバス【4575】の掲示板 2018/01/15〜2018/04/26

自習始めたばかりの素人の戯言

増資によって発行株式数が増えようと、本来のキャンバスの価値が分からなければ投資として割高なのか、割安なのか判断がつきません。そのためには彼らの研究内容を技術評価する必要があります。ここのホルダーの方々は、専門家なので普通に理解されているでしょうが、不勉強な私にとっては本丸であるリボーン(CBP501)も何故その様な効果が出るのか理解出来ていない為、、心もとない自習をしてきましたが、自分ではおぼろげながら点が点線程度になって来たように感じます。
リボーンの出発点は、Cdc25Cと言うたんぱく質脱リン酸化酵素が、Cdc2を脱リン酸化させる仕組みです。Cdc25C によってCdc2が脱リン酸化されると細胞周期がG2期(癌細胞が主にDNA修復を行うチェックポイント)からM期(細胞分裂)へ移行します。しかし、Cdc25CはDNAに損傷があるとc-TAK1キナーゼによりセリン216をリン酸化され、それによりCdc2をリン酸化出来なくなり、チェックポイントキナーゼのCHK1が活性し、それがCHK2の活性を阻害することで細胞周期が停止します。
よって、Cdc25Cのセリン216をリン酸化してしまえば、DNA判定を癌がすり抜けてもM期への移行停止と、チェックポイントキナーゼCHK1活性によるCHK2の活性阻害での細胞周期停止で、DNAに損傷を持つ癌細胞は死滅するとの仕組みのようです。正常細胞は、主にG1期でDNA修復を行うのため影響は軽微です。そして、白金製剤で癌のDNAを損傷させリボーンの効果を高め、アポトーシスへ導きオプジーボによって活性されているT細胞によってさらに癌細胞を攻撃する複合攻撃を行うのが、現在の第1Bの三種併用臨床試験です。

  • >>55

    Cdc25CはDNAに損傷があるとc-TAK1キナーゼによりセリン216をリン酸化され、それによりCdc2をリン酸化出来なくなり

    の文章に脱字がありました
    正確には

    Cdc25CはDNAに損傷があるとc-TAK1キナーゼによりセリン216をリン酸化され、それによりCdc2を脱リン酸化出来なくなり

    でした。
    お詫びし訂正致します。

  • >>55

    55の続きです

    自習始めたばかりの素人の戯言

    話をリボーンに戻しますと、Cdc25Cのセリン216前後のアミノ酸配列を作成し、それを細胞内へ届ける為の特殊なペプチド配列TATをくっつけたものが基となるTAT - S216です。ペプチドとは、ペプチド結合したアミノ酸の配列のことですので、TAT - S216を分かり易く言えば、運び屋とシグナルをくっつけたアミノ酸配列となります。これで実験をしたら細胞周G2期チェックポイントを阻害し、癌細胞株の多くを死滅させたわけです。世の中で、「何々を使った実験で癌細胞を云々何年後を目途に」とよくニュースになりますが、ここまでで成功ならば、癌はとっくに克服出来ているでしょう。しかし、ここはまだ基礎研究の中間点です。
    現在の創薬のトレンドを知る為、分子量に焦点をあてます。分かり易く大雑把に言ってしまえば、アミノ酸がペプチド結合したものがペプチド。結合しているアミノ酸の数は2~50個。それ以上結合しているのがたんぱく質。アミノ酸の一種であるセリンは分子量105.09、ペプチドのTAT-S216は分子量3000弱でアミノ酸の数は22個、たんぱく質は分子量約4000以上アミノ酸の数は50個以上です。この分子量は、現在の開発トレンドの重要なポイントになっています。これも大雑把ですが、小分子薬は分子量500以下、中分子薬は500~2000程度、抗体医薬品は万単位(オプジーボの分子量約145000)なようです。
    抗体医薬品のように分子量が大きいと安定性が増し、特異性が出ます。特定の標的を狙うのに非常に適しています。しかし、分子量が大きいと細胞内に入り込むことが出来ません。また、分子量の大きい薬は、消化されては効果が無くなるし、消化しないと吸収できないので経口投与が出来ません。投与方法は薬になった時、優劣を決めてしまう差別化になります。例えば同じ効果の薬で、点滴投与と経口投与の薬があった場合、まず経口投与が選択されるでしょう。経口投与でも一日2回の薬より1回の薬が選択されます。同じ一回の薬でも、錠剤と顆粒では、飲みやすい錠剤が選択されます。さらに、分子量が大きいとそれだけ製造コストがかかり、抗体医薬品の薬価の高騰は社会問題化しています。また、特異性がはっきりしすぎて、マッチングが必要だったり、薬剤耐性を持たれたりします。

    続く