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ラクオリア創薬(株)【4579】の掲示板 2018/01/27〜2018/01/29

日本企業の今後の選択肢

第一の選択肢は、世界第2位の市場規模となり今後も成長が見込まれる中国市場への注力である。中国は規模こそ世界第 2 位の市場になったものの、中国企業は現時点では小規模で技術力も低く、欧米等の先進国市場に比べれば競争環境は激しくない。従って、日本企業は欧米市場にのみ目を囚われるのではなく、今後の有望市場としての中国に改めて向き合っていくことが求められる。ただし、欧米企業も中国事業を強化しているため、中国市場への注力を選択する際にはヒト・モノ・カネ全てのリソースを集中的に投入していくことが必要であろう。従来の製造・販売拠点としての位置付けに留まらず、研究開発拠点としての投資も求められるであろうし、中国企業との協業、あるいは中国の有望な技術やベンチャーに早い段階で投資をしていくことも求められるであろう。 第二の選択肢は、グローバルで競争していくための国内再編である。新薬メーカーには革新的な新薬を創出していくことが求められるが、近年バイオ医薬品や再生医療等、多様なアプローチでの研究開発が不可欠となっており、求められる研究開発資金は増大している。日本企業各社は注力する疾患領域を絞り込み、オープンイノベーションの取組も含めて創薬の効率化を図っているが、これらの取組には限界がある。加えて、医薬品業界の M&A は大型化し有望なシーズを獲得するには多額の資金が必要となっており、今後の中国企業の台頭も踏まえればこの流れはさらに加速していくことが考えられる。従って、継続して新薬を創出し、グローバルで競争していくには一定の事業規模が必要になるため、日本企業には再編を通じた規模拡大が求められよう。 第三の選択肢は、日本市場でのポジション堅持である。規模では中国に抜かれたものの、日本は依然として世界第 3 位の市場であり、高齢化に伴い安定的に成長している市場である。また、日本企業が最もリソースを投じており、企業規模に関わらず海外企業との競争優位性がある市場でもある。従って、敢えて負担が大きくリスクもある海外展開を考えるのではなく、優位性のある日本市場に拘る選択肢も考えられるであろう。幸いながら、政府は国内でのイノベーション創出に向けて産官学連携を推進し、バイオベンチャーの育成に力を入れ始めたところである。こうしたアカデミア、ベンチャーとの協業を含めて国内事業にリソースを集中投入し、海外に関してはライセンスビジネスで稼ぐという割り切りも求められるであろう。

みずほのレポートから