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ペプチドリーム(株)【4587】の掲示板 2018/11/03〜2018/11/15




スパコンとiPSが変える新薬開発 失敗品が復活へ

2018/11/05 06:30 日経速報ニュース



 製薬各社がスーパーコンピューターやiPS細胞などを活用し、一度は失敗した薬のタネの開発に再び挑み始めた。新薬開発の成功確率は約3万分の1。一つの新薬の陰には2万9000個以上の失敗品が山積みになる。そんな失敗品や特許切れ薬に最先端技術で光を当てる「敗者復活戦」だ。これまでの常識では考えられなかったプロセスで医薬品が生まれる。
 200万人に1人が発症し、根本的な治療法はない。そんな病気の患者を50年近く前にできた薬が救おうとしている。
 筋肉の中に骨ができてしまう「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」だ。関節が固まって手足を動かしにくくなり、最悪の場合は呼吸できずに死に至る恐れもある。
 病気は一部の遺伝子変異と関係があるともいわれるが、詳細な原因は分からない。患者数が少ないため、製薬会社が薬のタネを服用してもらって効果を確かめる臨床試験も難しい。
 これでは医師たちが医療現場で患者のために打てる手は、ほぼない。この病気に大日本住友製薬と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)などが挑んだ。
 京大と大日本住友などの研究チームはFOP患者の細胞からiPS細胞を作り出し、病気の状態を正確に再現した。そこに過去の失敗品や特許切れ薬を片っ端から投与し、反応の有無をみる。その数は約7000種類におよんだ。
 何度も実験を繰り返し、人間の免疫反応を抑える「ラパマイシン(シロリムス)」という薬に光明を見つける。そしてFOP状態のマウスに投与し、進行を遅らせる効果を確認した。
 ラパマイシンは1970年代に発見された古い成分。iPS細胞で無数の実験を繰り返すことができなければ、こんな古い薬にまで研究者の手が届くことはなかった。
 京大は中堅製薬のノーベルファーマなどと協力し、医師主導で実用化に向けた研究を始めた。近い将来に「新薬」として治療に使える日が来ることが期待されている。大日本住友は今回の成果を踏まえて「iPS創薬」を加速させる考えだ。

続く、、、、

  • >>643

     スーパーコンピューターや人工知能(AI)を活用するのは田辺三菱製薬やNEC、理論創薬研究所のグループだ。製薬各社は研究開発に失敗した薬のタネの情報をデータベースに大量に蓄積しているが、使い道には乏しかった。IT(情報技術)の力で新たな用途を見いだす。
     まず膨大な量の失敗品の一つ一つについて、化学構造などからスパコンやAIが特性を自動的に割り出す。そして水溶性や脂溶性、溶解速度など様々な物差しで詳細なスコアを付ける。
     ここからがITの真骨頂だ。抗がん剤を例にとれば、これまでに失敗した薬のタネががん細胞を十分に攻撃できなかった要因や副作用が出てしまった原因などをスパコンやAIが推定する。
     そしてNECが持つ検索技術や高速処理システムも生かし、失敗に至った原因を避けられるような化学構造などを割り出す。この条件に沿ってスパコンが「推薦」してきた薬のタネを開発すれば、失敗品が新薬に生まれ変わる可能性がある。
     このような手法は半導体素材であるシリコンの中で医薬品を生み出すという意味で「インシリコ創薬」と呼ばれる。
     かつて医薬品の開発は幸運な偶然の連続だった。抗生物質のペニシリンはシャーレに偶然飛び込んだアオカビから生まれた。大正製薬の発毛剤「リアップ」の有効成分は、以前は高血圧の治療薬に使われていた。服用する患者から「髪が増えてきた」などの声が上がり、発毛剤として改めて開発されたのだ。
     現代ではスパコンの内部で、こんな「偶然」を引き起こすことが可能になった。動物実験を繰り返す従来の手法とは桁違いのスピードと効率だ。今日もAIが膨大な薬のタネを分析し、新たな使い道を探している。
     塩野義製薬は創薬スタートアップと組み、数個から数十個のアミノ酸が結びついた「ペプチド」で敗者復活戦に挑む。ペプチドは体内で様々な細胞と結びついて免疫力を高めたり内臓の働きを促したりする。
     塩野義は体内で感染症やメンタル分野の病気の原因となる細胞の仕組みを研究で割り出した。その細胞と結びつく薬のタネを作り出そうと長年取り組んできたが、ことごとく失敗に終わった。

    続く、、、、