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ペプチドリーム(株)【4587】の掲示板 2018/11/03〜2018/11/15

>>644

塩野義は体内で感染症やメンタル分野の病気の原因となる細胞の仕組みを研究で割り出した。その細胞と結びつく薬のタネを作り出そうと長年取り組んできたが、ことごとく失敗に終わった。
 塩野義が合成した薬のタネが細胞と結びつかないのが失敗の原因。細胞には受容体と呼ばれる「受け皿」があり、受け皿と同じような形の物質でなければ十分に結合しない。作り出した薬のタネは小さすぎたのだ。
 「我々の技術だけにこだわっていては未来を開けない」。研究陣の苦闘を見た手代木功社長は自前路線から一度距離を置き、他社の技術を試す決断をする。相手は創薬スタートアップのペプチドリーム(PD)だ。
 PDは1兆種類を超えるペプチドを合成できる。塩野義は同社の創薬システムを利用する契約を結び、自前では駄目だった研究を再開した。担当者によれば最初は半信半疑だったというが「常識外れの速さで有効な薬のタネが見つかった」
 医薬研究本部の塩田武司本部長は「従来の手法と比べてペプチドは格段に多様性があり、少し探すだけで薬のタネが見つかる。ヒット率の高さに興奮する」と話す。現在は7種類のペプチド創薬が進み、来秋に大阪で世界初のペプチド量産工場も稼働させる。手代木社長は「大阪から世界に打って出る」と意気込む。
 失敗品のデータを外部に公開する異例の取り組みも動き出した。アステラス製薬と第一三共、田辺三菱製薬はデータベースを3社で共有し、国内の研究機関に提供し始めた。大学などに失敗品を研究素材として提供し、自社とは異なる視点で光を当ててもらう。
 製薬各社は数十万種類の薬のタネを持つが、外部への公開には消極的だった。自前での新薬開発は年々難しくなっている。あえて自社の秘密をさらけ出す決断をした。
 研究機関から有望な結果を出せば3社が協議し、開発企業を決めてプロジェクトを動かす。アステラスが失敗した薬のタネを第一三共が復活させることもあり得る。「合同チーム」での挑戦だ。
 武田薬品工業はアイルランドのシャイアーを約7兆円で買収することを決めた。世界の製薬各社は薬のタネを求めて高額での企業買収を競うが、実は自社の足元に眠れる宝が埋まっている可能性もある。それを丁寧に掘り返すことも製薬会社が生き残る道だ。

終了です。^^