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(株)電通総研【4812】の掲示板 2015/04/16〜2020/02/12

電通国際情報サービス(ISID)はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の導入を目指す工場を対象に、実際の機器で事前検証できるサービスを始めた。本社内に小型の試験スペースを設置。稼働後の問題点をあらかじめ洗い出せる。導入期間を半減できるとして、自動車部品メーカーなどに利用を促す。
 このほど製造ラインを再現した試験設備を開発し、東京都港区にあるISID本社内に設置して商談時に活用できるようにした。幅約0・9メートル、長さ約1・5メートルの机上に、部品を運ぶコンベヤーや、つかんで運ぶロボット、RFID(無線自動識別)センサーや工作機械を模した装置を置いて構成する。
 顧客企業が導入を目指す生産ラインや生産管理システムに応じて、実際に試験装置の機器をつないでパイロットラインを設ける。ロボットと工作機械が接触しないかなどレイアウトを確認できる。
 また、システムで収集したデータに基づき、設備の生産量や稼働率、在庫量などを算出。計画通り稼働できているか、データを収集・分析できているかを確認する。
 従来は顧客工場で実際に使う機器を設置しながら検証する必要があったが、設備が大がかりなため組み替えにも時間を要していた。ISIDではコンピューター上でシミュレーションするサービスは手掛けていたが、再現性に限界があった。新サービスでは試験設備で調べられるため、ライン設置期間を半減できるという。
 今後、定期的に実証設備を活用したスマート工場を披露するワークショップを開き、メーカーの需要を掘り起こす。
 ISIDはシステム開発が強く、製造業向けでは生産ラインの設計シミュレーションが主力事業。昨夏、スマート工場の導入を支援する「DER推進室」を立ち上げた。今後は部品の加工や組み立て、検査といったファクトリーオートメーション(FA)分野にも踏み込み、顧客企業のスマート工場化を支援する。
 2014年に資本提携した米ビッグデータ解析ベンチャー、プレディクトロニクスのノウハウを生かして、音や振動などのデータから設備の故障を予測するサービスを展開している。さらにスマート工場のモデルとなる自社施設も早期に建設する方向で検討している。
 営業範囲も海外に広げる。タイに専任の技術者を派遣して東南アジア諸国連合(ASEAN)に進出している日系企業に提案する。18年度までにスマート工場関連で20億円の売り上げを目指す。