ここから本文です

>>21211

◆2013/06/07 日本経済新聞 朝刊 13ページ
富士フイルム、太陽電池シート参入、写真フィルム技術転用

富士フイルムは太陽電池に使うシート事業に参入する。写真フィルムの製造に使う技術を応用し、従来品よりも耐久性を3倍程度まで高めた製品を開発した。今年度に中国を中心とする太陽電池メーカー約20社への採用を見込む。フィルム技術の転用はスマートフォン(スマホ)などに使うタッチパネルでも進め、2つの事業で2016年3月期をメドに500億円の売り上げを目指す。

開発したのはバックシートと呼ばれる部材。太陽電池の背面に貼り、熱や紫外線、湿気などから電池を守る。シートは長期間空気や水に触れると酸化するが、富士フイルムはポリエチレンテレフタレート(PET)に特殊な化合物を混合し耐久性を高めた。

さらにフィルムを引き延ばす独自技術を活用。一般的に10年程度といわれている寿命を、約3倍の30年に延ばした。価格は一般的なバックシートよりも2~3割高く設定している。

欧州太陽光発電産業協会(EPIA)によると太陽電池は12年に世界で3110万キロワット(発電能力ベース)が導入され、累計で1億キロワットを突破した。17年の導入量は12年比55%増の4830万キロワットを超える見通し。富士フイルムは中国企業のほか台湾や欧州、日本の太陽電池メーカーにも販路を広げ、拡大する需要を取り込む考えだ。

デジタルカメラの普及で富士フイルムの写真フィルム事業は大幅に縮小している。00年に連結売上高の約2割を占めた同事業の規模は現在1%未満。培った技術を転用して新規事業を立ち上げる経営戦略を急いでおり、昨年末にはスマホやタブレット(多機能携帯端末)向けのタッチパネルフィルム「エクスクリア」の出荷を開始した。

従来のタッチパネルに比べ高い精度で反応するのが特徴。パソコンやテレビのほか、折り曲げられる次世代ディスプレーに搭載することも可能としている。需要増をにらみ6月には神奈川県内の主力工場に約10億円を投じてラインを増設し、生産能力を従来の2倍以上に引き上げる。このほか印字された画像や文字情報を特殊フィルターを通してしか見られないようにする偽造防止ラベルも発売している。

6/7 1,956 前日比-14(-0.71%)

  • >>21270

    ◆2013/06/29 日本経済新聞 夕刊 1面の記事

    日本の先端医療機器各社が中東・アフリカ地域の開拓で攻勢を強めている。富士フイルムはアラブ首長国連邦(UAE)の国立病院で医療記録を共有するデータベースの構築を受注。医療の高度化のニーズが強まっている市場で、日本企業の商機が広がる可能性がある。

    富士フイルムは、UAEの36の国立病院すべてを結ぶ患者情報データベースシステムを年内に稼働させる。コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影した画像を圧縮し、ペーパーレスで一元的に保存。国立病院ならば、患者がどこに転院しても記録を取り出して治療に役立てられるようにする仕組みだ。

    同システムは先進国で普及が進んでいるが、UAEでは保健省の事業として初めての導入。受注額は十数億円とみられる。湾岸産油国に比べ通信回線が発達していないアフリカでも医療情報管理のニーズは高く、同社は普及価格帯の製品をケニア、タンザニアなどに売り込む方針だ。

    中東ではサウジアラビアがキング・ファイサル医療都市計画を進めるなど医療の高度化を加速。カタールにも同様の計画がある。人材の育成を急いでいるが、米欧の専門医に遠隔診断を仰ぐニーズも根強いという。

    これに伴い医療機器やデータベースの需要は増大しており、日本企業は販売拠点を拡充している。

    中東・アフリカでは保健省が医療機器を一括発注する傾向が強い。世界大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)、欧州のシーメンス、フィリップスなどが強みを発揮。アフリカでは近年、中国の企業が病院建設と同時に医療機器を納入する例も目立つという。

    今月に横浜で開いた第5回アフリカ開発会議(TICAD)で、日本政府は今後5年間に保健分野で500億円を支援すると表明。後発組である日本の各社は受注拡大に向け、現地政府などとの関係構築を急ぐ考えだ。

    6/28 2,185 58 (+2.73%)