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(株)資生堂【4911】の掲示板 2017/09/28〜2017/12/05

(日経電子版)

機械より人が価値生む 強まる高PBR銘柄買い
編集委員 松崎雄典
2017/11/15

 世界の株式市場で買われる銘柄に変化が起きている。技術の粋を集めた高価な製造設備を持つ企業より、社員が新たなアイデアを生みやすい企業へ。人材やブランドなど貸借対照表(バランスシート)に載らない価値を持つ企業は、純資産に比べて生む価値が大きく、PBR(株価純資産倍率)が高い。高PBR株の買いが大きな潮流になりそうだ。

 15日には日経平均株価が6日続落となった。調整がきつくなるなかで比較的に下げ幅が小さいのが高PBR銘柄だ。8日以降、日経平均が4%下落したが、PBRが6倍強のキーエンスは1%の下げにとどまり、5倍弱のオリエンタルランドは横ばいだった。

 PBRの高低については経済産業省が10月下旬にまとめた報告書「伊藤リポート2.0」でも取り上げられている。高PBRには「無形資産が収益を生み出す事への期待がある」と分析し、欧米に比べたPBRの低さを改善するため、無形資産への投資を求める内容となった。

 米国ではすでに変化が顕著だ。優良企業の代表格であったゼネラル・エレクトリック(GE)の株価下落が象徴している。

 GEは経営者が資金をどう確保するか悩んだ時代に、伸びる事業にうまく資金を配分して称賛された企業だ。ところが「カネ余りの時代では、機械は誰でも手に入り、企業買収も容易。希少な資産は、資金から人材に変わった」(米コンサルティング大手、ベイン・アンド・カンパニーのエリック・ガートン氏)。

 生産性を高める原動力は機械より人になったのに、多くの企業は組織が複雑化する「大企業病」に陥り、電子メールや会議に忙殺されている。働きやすい職場づくりや人材への投資に価値を置く米アップルやグーグルはPBRは4~7倍と米国平均の3倍を上回る。GEは2倍と低い。

 東京市場でも人材力で買われる銘柄がある。代表例はディスコだ。導入した社内通貨「ウィル」を獲得しようと、社員が業務改善案を出し採算管理を徹底する。キーエンスは営業マンが顧客のニーズを拾い上げる強さで知られる。無形資産であるブランド力で高く評価される良品計画などもPBRが高い。