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富士石油(株)【5017】の掲示板 2017/01/17〜2018/01/14

10月上旬にエネルギーの効率的な活用を求める「エネルギー供給構造高度化法(エネ高度化法)」の告示を改正し運用を見直す。改正は2009年の法律施行以来、2回目。

 改正の柱は付加価値の高い製品の生産を促すことだ。原油を蒸留して樹脂やプラスチック製品の原材料となるナフサやガソリンなどを取り出すと、最大で約半分は分解されずに残る。こうした残油はアスファルトをはじめ収益性の低い製品にしか使えないが、熱を加えたり化学反応を起こしたりする専用の装置で再処理することで、ガソリンやナフサに造り替えることができる。

 告示では21年度末までの5年間で、処理量を増やすことを各社に義務付ける。処理量が少ない会社には現状よりも5%増やすことを求め、海外からの輸入品に対抗できる水準に生産性を高めてもらう。既に処理量が多い会社には2%もしくは3.5%の改善を求める。経産省は高度化法で元売り各社に勧告や業務改善命令を出すことができるため、必要に応じこうした権限を行使する。

 生産性の向上を促すことで製油所の一段の再編につなげる。処理量を増やすには専用装置や他社から油を運ぶ設備の導入などで数百億円規模の投資が必要になる場合がある。経産省は装置を増強したり他社と連携して残油を融通し合ったりする取り組みに補助金を出す。来年度予算の概算要求に200億円程度の補助金を盛り込み、費用の一部を補助する方針だ。

 エネルギー構造は大きく転換し、17年度の国内の石油需要は1日あたり300万バレルと15年前から約3割減少。世界的にガソリン車からEVへの転換が進むなか、30年度にはさらに2割減るとの予測もある。

 国内ではここ数年、製油所の再編は進んでいない。集約が進んだ韓国では1カ所あたりの精製能力は日本の3倍に達する。日本で生産する石油製品のうち輸出に振り向けられているのは1~2割で、5割程度の韓国に水をあけられている。経済成長が続くアジアでは需要は安定しており、収益力を高めて輸出にかじを切る必要がある。

 これまでの告示では製油所の閉鎖やJXホールディングスと東燃ゼネラル石油の経営統合につながった。ある元売り大手の幹部は今回の告示について「投資に対する採算は見込めない」と話す。製油所のさらなる再編や企業間連携の呼び水になる可能性がある。