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東北特殊鋼(株)【5484】の掲示板 2015/04/29〜2022/02/01

2.開発の背景と経緯
今回の成果は、JST 復興促進プログラムが支援するプロジェクトで、東北特殊鋼が弘前大学
(古屋泰文教授)及び東北大学金属材料研究所(山浦真一准教授、現厚生労働省所管職業
能力開発総合大学校准教授)と共同で 2013 年に開発した新磁歪材料を応用したものです。
2014 年に新磁歪材料の応用デバイスの開発と普及を目的として、公益財団法人みやぎ産業
振興機構のプロジェクト創出研究会助成事業の支援を受け、新磁歪・電磁スマートデバイス開発
研究会(古屋泰文会長)が結成されましたが、その会員である東北特殊鋼と宮城県産業技術
総合センターが、双方の有する技術を持ち寄って組合せることにより実現した成果です。
磁歪材料とは、磁場を加えると僅かに変形する材料で、変形する割合(0.01〜0.1 パーセント
程度)は磁歪と呼ばれ、スピーカーなどの振動素子として利用できます。逆に磁歪材料に力を
加えて変形させると磁場が変化する逆磁歪現象が起こり、振動発電や力センサーとして利用
することが出来ます。
従来磁歪材料として知られていたターフェノールD(Fe-Dy-Tb;鉄-ジスプロシウム-テルビウム
合金)やガルフェノール(Fe-Ga;鉄-ガリウム合金)は、希少金属を含み高価なため、民生用途
では、あまり普及していませんでした。新磁歪材料は、原料が安価な Fe-Co 系合金であり、
特殊鋼と同じ製造工程により大量生産できるようになったことから、2015 年より電気、機械等
メーカー各社にサンプル提供を開始しております。
振動発電素子としては、PZT 圧電素子がよく知られていますが、圧電素子は電気抵抗が高く
大きな電力を得ることが困難なうえに、脆く割れやすいという扱い難さがあります。これに対し、
新磁歪材料による発電素子は電気抵抗が低く、センサーや無線のマイコンチップを連続的に
動作させるのに十分な電力を、工場の生産設備などの振動から得ることが出来ます。また鉄鋼
材料と同じ強靭性があるので耐久性に優れ大型化も可能です。