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(株)加地テック【6391】の掲示板 2015/04/28〜2020/12/08

政府、水素エネ重視に転換 基本計画に今夏明記

 政府が究極のクリーンエネルギーとされる水素を重視する方向に踏み込む。今夏をめどに改定するエネルギー基本計画で低炭素社会実現に向けた重要手段として水素を活用する方針を明記。

 水素ガスは水を電気分解するなどして生成する。燃焼しても水しか排出しないため、環境に優しいエネルギーでもある。現在のエネ基本計画では「将来の(電気や熱に次ぐ)2次エネルギーの中心的役割を担うことが期待される」としているが、改定では重要性をより強調。普及拡大に向けた国際連携の強化などを盛り込む方向で調整する。

 水素をめぐっては昨年12月決定した水素基本戦略で、2050年を目標に水素価格を5分の1に下げ、ガソリンや液化天然ガス(LNG)などと同程度のコストにすることを掲げた。水素ステーションの整備などを盛り込んだものの「これだけでは不十分」(経済産業省幹部)。基本計画で水素重視を明確にし、19年度政府予算などで関連予算の拡充を目指す。

 ぐっと水素に重心を移すのは日本企業が関連技術に強みを持つからだ。

  • >>592

    経産省幹部は水素のプラットフォーム(基盤)を先んじて握れば日本の製造業が成功する可能性が高い「勝ち筋」が見えてくるのではと期待する。
     海外では原油販売への依存を減らそうとするサウジアラビアとも連携し、原油から水素を取り出す技術の実用化をめざす。日本政府は水素エネに関心の高い国々と定期的に意見交換する会議体の設置を考えているほか、20カ国・地域(G20)の場などを活用して水素活用を提言し、国際的な世論形成を主導する腹づもりだ。

     需要面の強化策としては、現在2千台にとどまるFCV販売を30年に80万台に引き上げる。現在100カ所の水素ステーションを30年に900カ所に増やし、無人化などの規制改革にも着手する。

     FCVへの開発・投資は日本に限った話ではない。中国は30年に水素ステーション数を現在の10倍の1千カ所に増やし、FCV台数を100万台にすることを目標にする。経産省によると、上海同済大や精華大が中国自動車大手と連携し、着々とFCVの開発を進めている。ドイツが23年に400カ所のステーション設置をめざすなど、欧米でも水素活用の動きがある。

     ただ、EV時代到来とも言われる中でFCVに力点を置きすぎれば、「ガラパゴス化の隘路(あいろ)に入り込むリスクはある」(政府関係者)。FCVだけでは将来の大量供給分を消化できないとの指摘もあり、バスや船舶、発電など多様な使い道を確保していく必要がある。

     太陽光や風力などで発電した電力を使って水から水素をつくり、ボイラーで燃やして熱源にしたり、余った電力を貯蔵したりする。水素にはFCV以外でもこうした様々な使い方が期待できる。本格普及に向け日本の官民はより多くの人や費用を投じていく構えだが、グローバルなEV市場や水素エネ技術の進展などをにらみつつバランス感覚が問われる戦略になる。