(株)東芝【6502】の掲示板 2017/05/23

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◾️リスクの遮断に暗雲◾️
　【ニューヨーク＝稲井創一】経営破綻した米原子力発電大手、ウエスチングハウス（ＷＨ）が東芝に与える経営リスクが再び持ち上がってきた。破綻に伴い東芝はＷＨを連結対象から切り離したものの電力会社への債務保証額が未確定なうえ雇用を巡り米政府から関与を求める声があるためだ。折しもＷＨの米国工場では労働争議が発生した。米政府による雇用確保への圧力と連動しかねない。

　ＷＨは21日、ニューハンプシャー州の原発部品の生産工場を一時閉鎖するロックアウトを172人に通知したと発表した。労働側が求める条件に応じられないため、会社側から生産を停止して交渉を有利に持ち込もうとする措置だ。

　米連邦破産法11条の適用申請により労働側の不安が高まっていることが背景にある。４月に来日したロス米商務長官は日本側にＷＨの雇用継続に懸念を表明した。ＷＨの労働側は政府の意向も勘案しながら雇用確保に向けてあらゆる手段を尽くす構えで、労使間の対立が長引く恐れもある。

　ＷＨは３月29日の破綻時点で東芝の連結対象から外れている。ただ雇用確保を最重要課題に掲げるトランプ政権は支持率が低下している。今後、東芝に雇用維持に向け関与するよう求める可能性も否定できない。

　一方、ＷＨに原発を発注している米サザン・カンパニーは「東芝に支払い義務のある親会社としての債務保証は36億8000万ドル（約4100億円）」（トーマス・ファニング最高経営責任者）としている。同様に米電力会社スキャナに対しても東芝は債務保証を負う。保証するのはＷＨ破綻に伴い電力会社に返せなくなった工事前受け金や損害賠償金。契約上、ＷＨが破綻した場合、親会社だった東芝が負担する。

　東芝は2017年３月期の業績見通しで、ＷＨの親会社保証引当金として約6700億円を計上する。だがスキャナ側の債務保証額が確定せず、引き当て内で収まるのかは不透明だ。

　ＷＨの再生計画は今夏ごろまでにまとまる見込み。高リスクの原発事業をＷＨが単独で進めるには限界があるが、東芝はＷＨから足抜けしたい。新たなスポンサー企業を呼び込めるかがＷＨのリスクを遮断できるかのカギを握りそうだ。(日経)