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田淵電機(株)【6624】の掲示板 2018/05/17〜2018/06/25

事業再生ADR
経営危機に至った企業が民事再生法や会社更生法の申し立てによる法的手続きに替え、中立な第三者機関であるADR事業者の手によって、債権者・債務者間の話し合いをもとに自主的な整理手続きによって問題解決を図ること。もしくはその手続きのこと。
過剰債務に陥った企業は、金融機関からの融資について弁済の猶予や債務免除によって再建を図る。ひとたび大企業が倒産すれば債権の回収は困難を極める。そのためメインバンクの主導で事業再生のための私的整理の調整を行うことが一般的だった。しかしながら、金融機関にとって債権放棄などは利益に相反するものであり、安易に支援を行うことはできない。
一方、民事再生法などの公的整理を選択した場合にはこれらの一部は法的強制力をもって行われる。しかし経営危機に至った企業側にも不利益な点がある。公的整理では金融機関への弁済だけでなく事業継続に不可欠な取引先への支払いも停止する。この結果、仮に過剰債務の整理に成功したとしても、その後の取引には重大な支障をきたし、事業の再建は困難となる。
問題を解決する為、新たに設けられたのが事業再生ADRの制度。ADRとは、裁判外紛争解決手続きのことで2007年施行の「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(ADR法)により、法務大臣の認証を受けた民間の事業者がADR事業を営めるようになった。このうち、事業再生に関する紛争を取り扱う事業者としての要件を満たすものは、同年の「産業活力の再生および産業活動の革新に関する特別措置法」の改正により、経済産業大臣の認定を受けて事業再生ADRの業務を行うことができる。
この認定第1号である事業再生実務家協会が、日本航空の事業再生ADR申請を受理したことで、企業再生支援機構の支援決定までに金融機関への支払いを一時停止することができた。事業再生ADRでは、このように債権者に債権回収や担保設定行為の禁止を要請し、債権者会議の招集を行う。また、弁護士や公認会計士などから手続き実施者を選定し、債権者会議の合意を経て、債務者の再生計画案についての助言や調査を行い、中立の立場から債務調整をすすめる。なお,事業再生ADRは私的整理の一種ではあるが、民事再生同様に、債権者には債権放棄にかかわる損失の無税償却が認められ、債務者にも債務免除にかかわる免除益に税制上の優遇措置が認められている。