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シャープ(株)【6753】の掲示板 2017/08/22〜2017/08/24

コアテクノロジー・人工知能&ビッグデータ活用/シャープ

(日刊工業新聞2017/8/21 05:00)

シャープは2018年にIoT(モノのインターネット)と人工知能(AI)の外販を計画する。ロボット型スマートフォン「ロボホン」やオーブンレンジなどに搭載したAIをアレンジし、住宅や飲食業界などに提供する。「機械学習」というタイプのAIが主流の今、シャープのAIは分野ごとに「手作り」の対話シナリオを取り込んでいるのが特徴。手軽に扱え、かゆいところに手が届くAIとして差別化する。

シャープは音声認識や顧客管理、対話AIをクラウドで提供する基盤システム「AIoTプラットフォーム」の外販を計画。IT技術者を抱える余裕のない中小の飲食業や製造業などに、他社製品と連動させるなどのIoT対応を支援する。

外販に先立ち、積水ハウスや大和ハウス工業と共同で、IoTにより家庭内環境のデータ活用を目指すスマートホームの実証にも取り組んでいる。対話AIで利用者に住宅の結露に悩んでないかなどを聞き出す。ハウスメーカーは住宅販売後は、顧客と接点が大幅に減る。こうしたAIで販売後の顧客とのつながりを維持し、多様なサービスを提供するチャンスが増える。

シャープは利用者の習慣や好みなどの学習に機械学習も使うが、対話用AIで採用する「シナリオベース」AIに強みを持つ。事前に対話の流れを決める方式で、どちらかというと旧世代とされる。シナリオにない対話はうまくないなど汎用さに欠ける一方、使い手の回答が質問の趣旨とそれても、AIが別の質問で使い手の要望を推測するなど「かゆいところに手が届く」(IoT通信事業本部の上田徹第一サービス開発部長)。こうした対話には「家電の顧客相談窓口で培ったノウハウも生きている」(同)。

第3次AIブームといわれる現在、主流の機械学習はビッグデータ(大量データ)を入力して統計的な相関関係を導き出し、適切な対応を学習する。米グーグルや米IBMのAIは機械学習を取り入れ、囲碁王者やクイズ王者を打ち負かすなど華々しい成果を挙げてきた。今や顔認識の能力でも人間を上回る。とはいえ、大量データの収集と学習プロセスに膨大な費用と時間がかかり、機械学習に精通した人材は世界でも少数だ。この点、シナリオベースAIはビッグデータが不要。また、母と子によって対話の中身を変えるといった、こだわりや味付けをしやすい。

米アマゾンやグーグルがAIで先行する面もあるが、シャープは特定用途に特化することで、同じ競争の土俵には立たない戦略だ。実際、アマゾンジャパン(東京都目黒区)が16年末に発売した、日用品を注文できる小型端末「アマゾン・ダッシュ・ボタン」に対し、シャープは自社の家電製品との連携をいち早く表明した。徹底した差別化を実現できれば、プラットフォーマーはむしろ足りない部分を補うパートナーとなる可能性もある。

(大阪・平岡乾)