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ソニーグループ(株)【6758】の掲示板 〜2015/04/27

ソニー、ロボット撤退の舞台裏
2014年05月09日22時06分
ソニーは1999年、世界初の家庭用ロボットとしてイヌ型の「アイボ」を発売し、大きな注目を集めた。しかし、2006年3月にロボット事業から撤退。一世を風靡(ふうび)していたのに、なぜ事業をやめたのか――。「アイボ」生みの親の担当幹部と、当時の経営首脳の言い分は微妙に食い違う。土井利忠元上席常務と出井伸之元会長のそれぞれに、撤退に至る舞台裏の出来事を聞いた。
■撤退に反対、社内はメールで激論 ソニー元上席常務・土井利忠さん
「アイボ」の開発を主導したソニー元上席常務の土井利忠さんは、当時ソニーの会長だった出井伸之さんがロボットからの撤退を決断した、と説明する。土井さんはそれに反対し、「(ソニー社内では)メールを通じた公開論争のような状態」になるほど激論が交わされたと打ち明けた。
 主なやりとりは次の通り。
 ――ソニーが1999年に発売した「アイボ」は、世界的な注目を集めましたね。
 「あれは出井伸之社長(当時)が猛反対するなかで実現したのです。私は『21世紀の技術を開発しよう』と取り組んだのですが、出井さんには『キミがやっているのは19世紀の技術。ネットワーク以外のことはやらないでいい』と言われました。その逆風のなか、社内を根回しして何とか世に出しました」
 ――あれだけ先行していたのに、2006年に撤退したのはなぜですか。
 「04年の経営会議で開発中のヒト型ロボット『キュリオ』の商品化中止を命じられました。ネットバブルが崩壊した後も出井さんの信条はネットだったので、他はいらない、と。このとき出井さんとメールを通じて一カ月以上も公開論争のような状態になりました。私は『何でやめるのですか』『ソニーの将来をつぶすのですか』と、部下のエンジニア100人をCCに入れてやりあった。あの時点でロボット事業からの撤退が決まったようなものです」
本業のエレクトロニクス部門立て直しを名目に、06年に赤字のロボットから撤退したのではなかったのですか。
「違います。いま申し上げたとおりです。正式な撤退は06年ですが、撤退の方針は04年にほぼ決まったと私は思っています」
土井さんはその後、ソニー傘下のインテリジェンス・ダイナミクス研究所の所長になりましたね。
「はい。人工知能と脳科学の統合を目指しました。民間企業では日本初のスーパーコンピューターを購入し、無線でたくさんの『キュリオ』とつないだ実験環境を整えました。そのとき、ロボットの知能の大半を、強力な計算能力のあるネットワーク上におき、ロボットに無線でつなぐアイデアが浮かびました」
まるでグーグルがいま構想しているようなことですね。
「そうです。出井さんはネットの重要性を説いていましたが、私はネットの次に来るものを見ていた。クラウド的な能力でロボットが動く、そんな時代が来ると05年に思いました」
ソニーで実現できなかったのが残念ですね。
「一緒にやっていた優秀な部下がいます。アイボの知能を開発した男です。彼はいまグーグルに転職して、グーグルでロボットをやっています」
■「研究開発は続けた」 ソニー元会長・出井伸之さん
「アイボ」の生みの親である元上席常務、土井利忠さんは当時のソニー元会長の出井伸之さんが撤退を決めたと説明している。出井さんは「一部の商品化はやめたが、ロボットの研究自体は続けた」と否定。出井さんは「クラウドの中にロボットを動かす脳を置けないか考えていた」とも語り、ロボット事業の将来性を見通していたと強調した。

  • >>356422

    主なやりとりは次の通り。
    2004年のソニーの経営会議で「アイボ」の商品化が中止になり、土井さんとの間で激しい論争になったと聞きました。
    「『アイボ』発売の後、次から次へと様々な後継機の商品企画が持ち込まれたのですが、アイボと姿かたちを変えただけのものばかりでした。そのようなバリエーションを増やすだけの商品展開ではなく、次世代製品の開発に注力してほしいと思い、一部の商品化の中止を決定しました。日本の電機産業は一つ当たると次々に同じようなものを出したがる。それをやりたくない、と思ったのです」
    土井さんは、出井さんがネットワーク以外はやりたがらなかったと言っていましたが。
    「それはよく言われることですが、誤解です。確かにネットワーク事業の展開は進めました。しかし、あくまでもハードをより便利に扱いやすくするために必要な存在として、AVとITの融合を進めたのであり、ハードを軽視するという意味ではありません」
    ロボットについてはいかがですか。
    「ソニーは『キュリオ』の開発で、二足歩行ロボットに関してはおおよそは分かっていました。愛知万博にロボットをいっぱい出品したころがピークでしたよね。その次は二足で立てるということよりも、もっと先の開発を進めていきたいと思ったのです。例えば、ロボットを動かす脳の研究を進めるべきではないか、クラウドの中にロボットを動かす脳を置くようなことはできないか。そのようなことを考えていました」
    ロボットの開発中止を決めたのではないのですね。
    「そうです。一部の商品化はやめさせましたが、研究開発は続けてもらっていました。二足歩行よりも高度な、人間の脳にあたる技術の開発にシフトさせていたのです。ホンダさんにしても『アシモ』の商品化はできていないですが、開発は続けている。それと同じことです」
    http://digital.asahi.com/sp/articles/ASG5964YMG59UHBI02G.html?_requesturl=sp/articles/ASG5964YMG59UHBI02G.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG5964YMG59UHBI02G