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黒田電気(株)【7517】の掲示板 2015/11/29〜2017/06/30

昨日黒田電気から村上陣営から社外取締役1名選任の株主提案がなされ、それに対し会社側取締役会が反対決議をした旨のリリースが発表されました。
今回の提案は、定時株主総会での議案になりますので、あくまでも会社側(厳密には取締役会)としては反対ですという意思表示にすぎず、議案自体は株主総会での賛否で決まります。株主総会での取締役選任議案の可決要件は、前回から変更がないとすれば『議決権を行使できる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の賛成による』となっています。
会社側は黒田電気の指名委員会が定時株主総会に上程する取締役選任議案を3月に早々と決定し、村上陣営から出てくるであろう株主提案は正規の手順を踏んでいないものだという印象付けを行う意味においては想定通りなのでしょう。
問題はこの先、株主総会までのプロキシーファイトにステージが進んでからです。一昨年の臨時総会でのやや強引な村上陣営の手法は、ニュースでも大々的に取り上げられ注目度が極めて高い状態でしたので、村上陣営に対するアレルギーもそこそこあったとは思います。また、村上氏のご令嬢である絢氏を前面に押し出したことも謎めいた感を演出し盛り上がりを見せる点においては効果抜群だったとも言えます。
結果は否決に終わり、終戦ムード漂う中、一気に撤退するものと誰もが思っていたのではないかと思います。ところが、息絶えたと思っていたゴジラが復活するように、その執念の炎は静かに、しかし、着実に燃え続けていました。すんなり売却して手仕舞いと思っていた議決権比率はこの1年あまりで急上昇、会社運営への影響が見過ごせないレベルにまで達しています。
資本の論理を言えば、村上陣営を一株主と見た場合、事実上の筆頭大株主に信任を受けていない経営陣という見方もあります。残念ながら、臨時総会後に発覚した従業員声明文問題(この声明文は少なからず賛否に影響した可能性は否定できないと思います)、その後の業績不振とそれにともなう減配(後に特損等の特殊要因は調整して還元する方針を発表)、見直しを余儀なくされた中期計画(26日に新中期計画を発表)、と、まあこれだけを見ても、なんとなく経営としてどうなんだろうか?という疑問を持つ株主は少なからずいると思います。
今回の株主提案は、会社経営経験があり、社外取締役という立ち位置に置くことで、経営は任せますが意見は言いますよ、という建付けです。もちろん、裏に別の本音があっても不思議ではありませんが、このぐらいならいいでしょう?という提案にも見えます。会社側としては、もっともわかりやすい業績で数字を残せていませんので、そこを他の株主がどう見ているかですが、総会の賛否の結果は、臨報で開示されますので、結果がどうあれ、それが株主の現経営陣に対する見方と言うことになります。
さて、どんな展開となるのか、関心をもって見ていきたいと思います。