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黒田電気(株)【7517】の掲示板 2017/07/01〜

臨時報告書、ご覧になられたと思います。さて、このことから何が見えるのか、私なりの勝手な見方を述べたいと思います。
第1号議案において、篠取締役を除く5名の取締役はまさにギリギリで選任されたことがわかります。薄氷を踏む思いとはこのことを言うのでしょう。業績不振、甘い先行き見通し、中計の未達と見直し、ガバナンス上の不手際などなど、合わせ技で経営責任をとってもおかしくない状況下での総会であったことにくわえ、物言う株主の大きな影も今や実体をともなって経営陣の戦略に物申す事態となっています。
そして、賛成票を信任票と見るならば、会社側が懸命に反対を促し、しかも、賛否の記載なくば会社側有利に扱います的な方策を講じたにも関わらず、株主提案によって選任された安延取締役の賛成割合は、先の5名の取締役を上回っています。
また、一方では、篠取締役と第2号議案の補欠社外取締役六車氏の選任については、97%を超える賛成割合となっていることから、村上陣営が賛成に回っているらしいこともわかります。ここにも、村上陣営の周到さが見て取れるように思います。議案については、是是非非で検討しており、何でもかんでも会社側に反対というわけではないという印象ですが、賛成に回る以上何らかの判断基準があったはずです。ただ、それが、社外ゆえの中立性なのか、考え方の近さなのかはわかりません。
さて、何はともあれ、29日の株主総会終結後の臨時取締役会を経て新体制がすでにスタートしています。安延取締役が各種委員会の委員になっていないのは、株主総会招集通知49ページ記載の表からもわかるとおり、第1号議案が委員構成も含めた議案になっていますのでやむを得ないことです。むしろ、そのことは想定の範囲内でしょうし、要はここからどういった動きが出てくるのかということだと思います。非常に興味深い展開になってきました。村上陣営がここで終わるとは到底思えず、株主総会での賛成割合の低下は現経営陣にとって大きなプレッシャーであり、ただ排除することにのみ腐心してきたことに対する警鐘でもあります。村上陣営の株式買い増しがどこまで続くのかも気になるところです。今回、安延氏が取締役として取締役会に入った意味は非常に大きく、水面下で何か事を進めようにも、善管注意義務などガバナンスはもちろん、法的な制約すら出てきかねず、経営課題を検討する際も、独断専行は許されない状況になっています。今回は、社外取締役1名でしたが、業績の状況や、戦略の進捗状況などによっては、次の株主総会はさらに大きなインパクトを持つものになるかもしれません。これからは、村上陣営の本気度も試されることになります。何も変わらなければ、その反動は大きなうねりとなって戻ってくるでしょう。
会社は株主のものであり、取締役は株主の選任により会社経営を委任されているにすぎません。そんな当たり前の理屈を十分に理解したうえで、現経営陣にはしっかり仕事をしてもらいたいと思います。今回の株主総会でそのことがはっきりとわかったはずですから。