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(株)ナイスクラップ【7598】の掲示板 2015/04/08〜

>>37

<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑦

 
   【VANの悲劇・カジュアル革命】


 ― "アイビー”それは本当に革命だった ―
 
雑誌ポパイの1978’6/10号で「VANが先生だった」という
特集号があった。この特集は2ヶ月前のヴァンヂャケット
倒産(1978年4月 )があり急遽企画されたものと思われる。

「”アイビー”それは本当に革命だった」というのはその時
の特集記事のキャッチコピーの一つなのだが、往年のファン
にとってはそれだけ思い入れがあったということか。

下記はその巻頭文だが、VANが台頭したころの日本の若者に
与えた衝撃度を垣間見ることができる一文ではある。

”VANとの出会い、ちょっと大げさかもしれないが「文明開
 花」だった。それまで学生服しか知らなかった僕たちに
 スーツを着せ、カラーコーディネイト教えてくれたVANの
 アイビーは、僕たちにとってはじめての「洋服」であり、
 「お洒落」であったのだ。”

”VANが登場する以前にもたしかにアメリカがころがってい
 た。けれどコーラを除いてはほとんどのそれは大人のため
 のものであった。VANはアメリカの学生ファッションを伝え
 るだけでなく、アメリカの若者の生活、風俗、スポーツ...
 若いアメリカのすべて、僕たちのためアメリカを教えてく
 れた。”


VANの悲劇は、日本において服装の一大変化、つまり注文服
から既製服に転換する過程で、いきなりカジュアル革命が起
きたことにVAN自身が気づかなかったことに尽きる。

  • >>40


    <only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑧


    ―「宮本悦也・流行学」に見るカジュアル/エレガンス論 ―


    1960年代から1980年代にかけてファッション業界に旋風を
    捲き起こした宮本悦也という経営コンサルタントがいた。

    (後に服飾業界を超え、日本の企業2000社と関わりを持つ
     ことになるスケールの大きい人物で、裏原宿の生みの親
     でもある。また日暮里をニポカジとしてブラッシュアッ
     プさせた仕掛け人でもある。)

    宮本氏が書いた本は多いが「構造心理学」をベースに理論を
    展開するので、一度で理解する人は皆無でもある。

    以下は流行学三部作の第二作目の「商品の流行学」から抜粋。
                  (昭和51年6月24日初版発行)

    ”前著「流行学」で私は、「カジュアル」という1960年代の
     服飾革命に名づけられたコトバの運命を、次のように予告
     した。「カジュアル」というコトバは、日本では服飾全体
     の傾向を指す広義のコトバとして生き残るが、欧米では、
     もとの「くつろぎ着、ふだん着」という狭義のコトバに戻
     る、と。”

    ”この英語で「偶然の、何気ない」という意味から転じて、
     服飾ビジネスで「略式服」「ふだん着」を指すコトバだっ
     た「カジュアル」は、ミニスカートに始まる60年代の服飾
     革命そのものを指すコトバとなった。”

    ”だが、70年代に入ると、欧米はエレガンスに移行するため
     に、カジュアルはもとの狭い意義しかもたないコトバに転
     落した。ところが日本だけは70年代以降、2010年代まで
     カジュアル革命を継続させるために、「カジュアル」とい
     う広い意義を持つコトバが残る。”


    で、この論説に関し、ジャーナリズムと論争を繰り広げるこ
    ととなる。