(株)ナイスクラップ【7598】の掲示板 2015/04/08〜
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>>51
<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”⑬>
― anan創刊号ではカジュアル言葉はまだ認知されていない ―
anan創刊号の話しをしたので念のためこの雑誌を取り寄せること
にした。先週になってようやく手に入ったが、昨年末は1900円だ
ったものがsold-outで今回は5000円になっていた。
(先ほど見てみたらこの雑誌早くも15000円と3倍の価格に)
まあ、内容は想像通りの結果だった。
総ページ数144Pの内「カジュアル言葉」は見開きの3P目の広告に
一つだけ掲載されていたがそれがすべてだった。
「カジュアル」ということばが日本に導入されてからananが創刊
された1970年まで早や10数年が経っているのにも関わらず、この
言葉に一番敏感に反応しなければならなかったファッション業界
が、このように”無反応状況”だったのは、何度でも言うがこれは
石津謙介氏の提案した「T・P・O」が、”時代に逆行していたこと
に起因していた”ことだけは間違いない。
●1963年(昭和38年) MFU年間テーマとして「T・P・O」を発表。
この時のテーマー「T・P・O」に関しては石津氏がリードして提案
したものとして広く知られている。
で、この「T・P・O」と「カジュアル」の相反関係についてはあと
で述べるが、この「T・P・O」という”和製英語”自体が「カジュア
ル言葉」を世間に認知させるのを遅らせた張本人でもある。
この「T・P・O 言葉」の影響で、石津氏より一歩遅れてこの業界
で頭角を現す”次世代の寵児・浜野安宏”氏にもその影響が及ぶので
ある。
※古い雑誌を数多く集めていて初めて知ったが、雑誌の場合は表紙
が1ページ目であり、単行本の場合には、前見返しから後見返しま
でのページ数が総ページなんだね。
更に多くの本を比較してよく見ると「本扉から始まるもの」「口
絵から始まるもの」「まえがきから始まるもの」「目次から始ま
るもの」「本文から始まるもの」と実に多彩なのには改めて驚か
された次第。
only_yasterday 2017年1月14日 23:26
>>45
<only_yasterdayの”日本のカジュアルウェアー誕生秘話”>⑫
― 平凡パンチ創刊号にはまだカジュアルという言葉はない ―
【「男性誌の”カジュアル言葉”」を遅らせたのが「TPO」である。】
平凡パンチ創刊号での”ファッション欄”は、ごくわずかで5ページ
のみ。この特集欄に「WEEKLY MEN'S CORNER」として記述されて
いる。
最初のページに「日本調スポーツシャツ」のタイトルがあり、イラ
ストが描かれていて、イラストレーターはVANでお馴染みの穂積和夫
氏で、デザイナーは石津謙介氏
ここでのイラストのシャツは、半袖開襟で吉原プリントやアイヌ模様
仕上げになった斬新なもの。
で、次ページのタイトルは・・・
●「Time、Place、Occasionで選ぶスポーツシャツ」の特集である。
これを4ページに亘って解説しているのだが、出てくる言葉は「スポー
ツシャツ」「アイビーシャツ」「ショーティシャツ」といった具合で
ある。この創刊号では「カジュアル」という言葉を見つけることはな
い。
さて、これより2年後の1966年2月にある女性誌が「カジュアル」とい
う言葉を世に広める切っ掛けをつけるのだが、意外や意外、このこと
はファッション・服飾史では今日まで見落されている。
これは日本の若い女性に革命をもたらしたといわれるファッション誌、
「アンアン」が創刊される4年前の出来事ではある。
※このカジュアルという言葉自体は、昭和20年代後半に日本の服飾誌
ですでにお披露目されてはいるが・・・)
※アンアンはパイロット版である『平凡パンチ』女性版を経て1970年
3月に、フランスの女性向けファッション誌『ELLE』の日本語版『an・
an ELLE JAPON(アンアン エルジャポン)』として創刊。
ーWikipediaー